「朗読者」 |
|
| ベルンハルト・シュリンク(新潮文庫)
映画「愛を読む人」の原作です。 15歳の少年ミヒャエルは、路上で気分が悪くなったところを 母親ほど年上の女性、ハンナに助けられ、それがきっかけで 恋人のような付き合いが始まります。 ベッドの上で本を朗読してほしい、とせがむハンナにミヒャエルは 沢山の物語を読んで聞かせます。 そんな幸せな日々も束の間、ハンナはある日突然、ミヒャエルの前から 姿を消します。 数年後、法律を学ぶ大学生となったミヒャエルは、ゼミの企画で ある裁判の傍聴をするのですが、被告人席にハンナの姿をみつけます。 戦争犯罪人として起訴されたハンナの公判を、一度も欠かさずに 見に行く度に、過去にハンナに感じていた謎が徐々に解けていくのです。
戦争が絡んだ話だけに、悲しいとか切ないとかの一言ではすませられないと 感じさせられる小説でした。 ハンナと過ごした日々が少年にとって衝撃的すぎて、その後 同じ年頃の女性とうまく付き合えなくなってしまったこと、 罪が重くなっても自分のプライドを守り通そうとしたハンナの気持ちなど、 痛々しいほどに伝わってきて、読後しばらくは何も手につかなくなるほどでした。
この小説、読んだことを後悔してないし、映画もいつか観てみたいと 思ったのですが、テーマが重いので、しばらく辛くなるような小説は 読みたくないなぁと思いました。
| |
|
7月24日(金)22:29 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
|