ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2010年5月を表示

「天国はまだ遠く」

   瀬尾まいこ(新潮文庫)

仕事にも人間関係にも行き詰まり、何もかもいやになった23歳の千鶴は
自ら命を絶とうと特急電車に乗り、山奥の民宿にたどり着きます。
2年ぶりにお客さんを迎えるというその宿で睡眠薬を飲むのですが
死に切れずに、そのまましばらく民宿に世話になります。
ひとりで民宿に暮らす田村さんのさりげない優しさに触れ、
村の人達と打ち解けていくうちに、千鶴は生きることの意味を
みいだしていくのです。

短い小説ですが、いいお話でした。
民宿の田村さんが、すごくいい!
若い男性、という設定なので、同じく若い女性である千鶴に
もっと興味を持つかと思いきや、大してそんなそぶりもみせず、
それでいてさりげなく気の利いたことをしてくれて、なおかつ
恩着せがましくないのです。
しかし田村さんにも色々と事情があり、その土地を離れたくても
離れることができなくて、千鶴もまた、その土地に魅力を感じながらも
ここは自分のいるべき場所ではない、と気付き、離れる決心をするところが
切ないのです。
けれどラストは、やはりやってくれましたね、田村さん。
「あんたみたいな人は長生きすると思う。」と千鶴に言うのですが、
この言葉は千鶴がその後、強く生きていくことへの暗示に
なっているような気がします。
いい人だなぁ。田村さん。
町内にひとりはいて欲しいなぁ。田村さん。

読後、元気がもらえる物語でした。



5月31日(月)23:15 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

iPadが日本上陸したのね

段々と、便利なものが増えていきますね。
便利になる、ということは良いことですが、良い事ばかりとは
限らないようで、
去年の暮れにデジカメが壊れたのですが、その直前にカメラを
いじっていた次男が、間違って全削除ボタンを押してしまい、
中のデータが全部消えてしまいました。
バックアップもとってなかったので、手元に残ったのはプリントアウトした
数枚の写真だけでした。
昔ながらのフィルムを使うカメラなら、こんなことはなかったのですけどね。
そんなワケで新しいデジカメが欲しいと思いつつ、ためらいもある
今日この頃です。
なんせ機械にうといもので、ちゃんと使いこなせる自信がないのです。

そういえば、パソコンや携帯でメールのやりとりができるようになってから、
手紙は書かなくなってしまいました。
メールも便利な点が多いのですが、手紙を書くために文具店に行って
便箋や封筒を選ぶ楽しさや(文房具マニアなので。笑)、
手紙の返事が自宅のポストに入っているのをみつけた時の嬉しい気持ちや、
封を切る時のワクワクした気持ちは味わえなくなってしまいました。
便利なものを得たあとは、なにかひとつ失ってしまう気がします。

この春、長男は高校を卒業したのですが、友達で京都の大学へ
行くことになった人がいて、その人を見送る時に、別の友達が
手紙を渡したそうで、男同士でそういうやりとりがあったことに
「まわりは引いていた。」と長男は言うのですが、私はほほえましくて
いいな、と思いました。

一時期、大量に買い込んだけど使うことのなくなった便箋と封筒はどうしよう、と
iPadが日本でも発売されたという朝のワイドショーを観ながら
色んなことを考えてしまったのでした。



5月28日(金)23:32 | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理

「Presents」

   角田光代(双葉文庫)

生まれて初めてプレゼントされることになる自分の「名前」、
小学校に上がる時に買ってもらった「ランドセル」、
初めてひとり暮らしをすることになり、お母さんが買ってくれた「鍋セット」、
付き合ってる男の人からもらった「合鍵」、
お嫁に行く時に友人達から贈られた手製の「ウエディングヴェール」、
などなど、色んなプレゼントにまつわる短編集です。

ランドセルを買ってもらった時、嬉しくて色んなものをつめこんだことや、
大人になってから改めてランドセルを見ると、容量の少なさに
びっくりしたこと、
中学生の頃の、同級生の男の子の不機嫌な感じ、
初めてひとり暮らしをすることになった時の嬉しいような寂しいような
複雑な心境とか、自分のことも思い出したりして、読みながら、
そうなのよ、そうなのよ、とうなづきっぱなしな小説でした。
懐かしい気持ちになったり、人と人との繋がりを大切にしようと思える
物語でした。

========

今日は寒いです。
あたたかいココアが飲みたいです。
そして、あつあつのラーメンが食べたいです。



5月26日(水)14:47 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

なんやろね

最近、やっと暖かくなってきて過ごしやすくなったと思いきや、
なんやねんな!昨日の暴風雨は!(何故か関西弁)
こちらの地方だけかと思ったら、全国的に天気が悪かったようですね。
こんなことでは先が思いやられます。
夏はくるのでしょうか?
あまりにも暑い夏も苦手だけど、いつぞやのように涼しいと
お米などの農作物が不作になる心配がでてくるので、涼しすぎる夏も
いかがなものかと思います。

そういえば火山が噴火すると、天変地異が起こりやすい、と
聞いたことがあります。
恐いですね。

また明日あたりから少し気温が下がるとか。

みなさま、体調管理には充分気をつけてくださいね!



5月25日(火)23:34 | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理

ジャズライブ

昨日、ジャズライブに行ってきました。
出演バンドのドラム担当者が高校時代の同級生なのです。

その人とは不思議な縁があって、高校一年の時に同じクラスだったのだけど
その時は、あまりしゃべったことがありませんでした。
けれど今から10年位前、たまたまジャズライブを観に行った時に
その人がいて、出演者で、名前と顔に覚えがあったので、
思い切って話しかけたら、向こうも覚えててくれていて、
お互いの近況や家族のこと、昔の友達の消息など、色々と話がはずんだのです。
高校を卒業してから20年も経っていたのに、不思議な感じがしました。

かつては、ほとんど話したことがない人でも、共通の話題がみつかると
ずっと以前から親しかったかのように、話がはずむこともあるのだな、と
思いました。

その人は、お父さんがジャズ好きな人で、幼い頃から子守唄代わりに
家の中にジャズが流れていたそうで、しかも家の隣がジャズ喫茶で、
小学生の頃から、お父さんによく連れて行かれて、おもちゃ代わりに
ドラムを叩くようになり、中学生になるとライブにも出るようになったそうで、
それくらい深くジャズに関わってきた人だと、高校の時に知っていたら、
私の高校生活も、もう少し楽しいものになったのかな・・・と
ちょっと残念な気がしました。

まあ過ぎたことは仕方ないとして、再会以来、その人の名前を
ライブスケジュール表で見つける度に、できるだけ観に行くように
してました。

今回、その人に会ったのは一年半ぶりでした。
お互いの子どもも大きくなって「お金がかかってしょうがないね。」
などと話しました。

こんな風に、普段は連絡取り合うということはしてなくても
たまに会った時にすぐに話がはずむ、という関係もいいものだな、と
思うわけです。

次回はいつ会えるのかはわからなくても、会えた時はきっと
話がはずむ。
そんな友達も嬉しい存在です。



5月23日(日)23:20 | トラックバック(0) | コメント(2) | 音楽 | 管理


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