follow me その10 |
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| Sさんとのお付き合いは長く、ずっと続いていくものだと思っていました。 それがある日突然、途切れてしまいました。
T君は、Sさんから伝授してもらったものを、しっかり受け継いでいきたい、と言ってました。
Mさんは、今はSさんがいなくなってしまった悲しい気持ちを曲にするつもりはない。 聴いた人が穏やかな気持ちになったり、楽しい気持ちになったりする曲を 書いていこうと思う。
「人を穏やかで楽しい気持ちにする」 それがSさんであり、Sさんから受け継いだ使命のような気がする。 と、言ってました。
自分はいったい何ができるのだろう? 誰かのために、できることがあるのだろうか? 今日という日を生きるのが精一杯のような、生き辛さをかかえた人間が、 Sさんのように、人のために尽くすようなことができるのだろうか?
Sさんの出来事は、いい加減な生き方をしてきた自分に、 考える機会をあたえてくれたような気がします。
私は未だにSさんがいなくなってしまったことを受け入れられずにいますが、 自分に、何ができるのか、 自問自答していくつもりです。
「follow me」はこれで終わりです。
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3月10日(金)03:09 | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理
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follow me その9 |
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| 2022年10月半ばのことです。
Twitterのタイムラインを追ってました。 すると不穏なツイートをいくつかみつけて、心がザワザワしました。
「どうしてこんなに悲しいことが起きるんだろう」 「ありがとう。安らかにね」 「話を聞いてから2日経つけどまだピンとこない。明日になればあの人はあの場所で コーヒーを淹れてる気がする」
フォロワーさん達が、同じ人のことを言ってる気がしたし、共通のフォロワーさんで コーヒーを淹れてる人といえば…
嫌な予感がしましたが、とどめを刺したのがUさんのツイートでした。 「亡くなった友人の旦那さんから電話がきて沢山話した。最後まで彼女らしかったんだなと 思った。」
Uさんは私とSさんのツーショット写真を撮ってくれた人です。 まさか…まさか…と思いながらSさんのお店のTwitterをのぞくと3日くらい更新が ありませんでした。 今までお店の定休日以外で更新がなかったことなんて、ありませんでした。
でも何かの間違いかもしれない。私の単なる勘違いかも、と T君のお店に行ってみました。 T君なら何か知ってるはずです。
お店のお客さんがみんな帰った頃、T君に話しかけようとしましたが 急に言葉がでなくなり、メモ帳に書きました。
「Sさんとは、もう会えないのですか?」
「実は…そうなんです。」 T君はとても辛そうに話してくれました。 ある日、Sさんの旦那さんが帰宅すると、Sさんが倒れていたと。 原因など詳しいことはわからないけど、Sさんはそのまま帰らぬ人と なってしまったそうです。 台所では新作メニューを作っていた形跡があったそうで、 Uさんが「最後まで彼女らしかった」と言っていたのは、そのことだったのでしょうか。
つい最近まで、元気そうだった。 つい最近まで、バイトを募集していた。 なのにどうしてこんなことが起きるのでしょう。
事実を知ってしまったら、知らなかった頃には戻れない。 事実を知らないままでも、事実は変わることはない。 これから先、私は何をどうしたらいいのかわからなくて、しばらく何も手につきませんでした。
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3月3日(金)03:28 | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理
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follow me その8 |
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| 2019年7月、MさんがT君の飲食店と同じ町に古書店を開きました。 古本を売るだけでなく、コーヒーやチャイなども出してくれるお店です。 開店したばかりの時にSさんは訪れたようです。 あいにくこの時もタイミングが悪くて私は会えませんでしたが。
同じ年の11月にMさん、T君のお店がある街の広場でマーケットが開かれ、 そこにSさんも出店しました。 私はSさんのお店でクッキーを買い、少しお話もしたしSさんの写真も 撮ることができました。
思えばSさんと直接会ったのは、この日が最後となってしまいました。
次の年、2020年の春、コロナ禍で飲食店などは休業要請がでて Sさんのお店も休業しました。 しかし夏の頃、コーヒー豆を通販で販売することになり、私も購入しました。 Sさんからの手書きのメッセージが嬉しかったです。
それから2年。コロナ禍はなかなか落ち着きませんが、どうにか共存していくようになり、 Sさんのお店も活気を取り戻したようです。
2022年の秋に、Sさんはツイッターで土日だけバイトしてくれる人を募集してました。 「バイトを募集するということは、お店が繁盛してるんだね。やはりSさんの人柄だね。」と T君と話しました。
そう笑いながら話した数日後にあのような悲劇が起こるとは 誰が想像できたでしょうか。
明日のことなんて誰にもわからないし、なんの保証もないのだと 痛感しました。
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3月1日(水)02:48 | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理
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