ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2013年2月を表示

「ミュージック・ブレス・ユー!!」

   津村記久子(角川文庫)

高校三年生のオケタニアザミはベースを担当していたロックバンドが解散になり、
他にやりたいこともなく、進路も決まらず、グダグダな日々を過ごしています。
親友のチユキや歯医者でよく会う同級生は、それぞれ自分の進むべき道をみつけだし、
少し焦りを感じるけれど、そんな状況でもアザミの頭の中には
常に音楽があり、音楽を聴いている間は生きている意味を見出せる気がします。
周りに流されず、自分らしく生きていこうとする物語です。

この、チユキとアザミのオトコマエな友情がいい。
そしてクラスメイトの、普段は一緒にいないけど、遠くから見守ってて、
時々、その存在のありがたみを感じさせてくれるところもいい。
高校生で、はっきり将来の目標を決めている人の方が少ないと思うけど、
だからといって、のんびり構えてもいられない。
手探りでも、目標のようなものを探し出さなければならない。
そんなあやうい年頃の人達を上手く描いた作品だと思いました。

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ここのところ、この人とは気が合う、話してると楽しい、と思っていた人が
遠くに行ってしまう、ということが立て続けにあり、そのたびに
がっくりとしおれてしまうのでしたが、つい先日もまたひとり、
遠くへ行ってしまいました。

しかも海外へ。。。

元々、海外旅行はしょっちゅうしていた人だし、語学力もあるし、
どこへいっても順応してしまう能力はありそうだし、
美人だからもてるだろうし、うまくやっていくのだろうな、とは思うのですが。

やっぱり寂しいものは寂しいです。

以前ここで、こういう心理は「卒業していく学生を見送る下宿屋のおばちゃんの気分」と
書いたことがありましたが、下宿屋のおばちゃん家業も切ないものがあります。

そういえば去年、その人からクマちゃん型パスタをいただいたのですが、
もったいなくて、まだ食べてませんでした。

このまま食べないのはもっともったいないので、近々食べようと思います。

またいつか会いましょう。M子様!



2月26日(火)13:50 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「ジューシーってなんですか?」

   山崎ナオコーラ(集英社文庫)

大きな会社組織の中で、黙々と地味な作業を続ける6人。
そのうちの半分は正社員で、もう半分は非正社員。
立場は違っても、やることはまったく同じで、助け合ったり励まし合ったり
あるいは誰かのプライバシーを影で詮索したり。
そんな人々を淡々と描いた物語。

誰かの日常を淡々と描く、ということでは柴崎友香さんを思い出しますが、
柴崎さんの小説が好きな人なら、受け入れられると思います。
ただ、ひたすら、淡々としています

こういう毛色の変わった小説もたまにはいいなぁと思いました。

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先日、長男が、このブログに書いたことのあるF井教授と会ってきたそうです。

今まで何度かF井教授のライブを観ていて、そのクオリティの高さに
尊敬の念を抱いていて、ネットで交流してるうちに「一度会いましょう。」
ということになったらしいです。

そして、丸一日、F井教授と有意義な時間をすごし、おまけにCDまで
もらってきたのです。

私は今度F井教授に会うことがあったら「CD作ってください。絶対買いますから!」
と言おうと思っていたのです。

それが、こんなに簡単に手にはいるなんて。。。
しかもライブ音源ではなく、ちゃんと楽器別に録音したもので、
10曲もはいってました。

曲調はどんなかというと、80年代のディスコサウンドが近いかもしれません。
でも、古臭い感じは、まったくしないです。

もしかしたら、長男よりも私の方が興奮してるかもしれません

もちろん、現在ヘビロテ中です



2月20日(水)15:12 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「イニシエーション・ラブ」

   乾くるみ(文春文庫)

ピースの又吉さんが自分の著書や雑誌で、この本をすすめていたので
興味を持ちました。
ストーリーは大学4年生の男の子と、歯科衛生士の20歳の女の子が
合コンで知り合い、お互い気に入って付き合い始める、という
どこにでもころがっていそうな話なのですが、背表紙に
「ラスト2行は絶対、途中で読まないでください。」とあり、
なにやら「仕掛け」があるようで、最後までドキドキしながら読むのですが、
ラストでしばらく「?」になり、いったい何がどうなってるのか
わからなくて、今まで読んできたページをパラパラとめくり、
ようやく「仕掛け」に気付き、「やられた!」と思うのでした。
ネットの批評を読むと、好き嫌いがはっきり分かれているようです。
好きだ、と言った人は仕掛けがすごい、と言うし、嫌いな人は
仕掛けにこだわるあまり、ストーリーがすごくつまらないものになっている、
と評してました。

この物語は80年代が舞台になっているので、その時代が記憶にある人にとっては
あの頃流行った「男女7人~」のドラマやおにゃんこクラブ、
サザンやボウイなどの話がでてくるので、懐かしい気持ちになると思います。

80年代に青春時代を過ごした私にとっては、なかなか面白い小説でした。
そして「仕掛け」は、やはり、すごい!と思いました。

女の「裏の顔」に気付かない男の人は多いものです。
男の人達、気をつけなはれや!と言いたくなりました。



2月15日(金)15:02 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

何を温めるの?

今日、コンビニに行きました。

レジにいた女性が、檀蜜さんに似た人だったので、

「何か、温めるもの、ありますか?」と聞かれた時、

「では、ドリアを」と言いつつも、心の中で

(ワタクシ自身も。。。)とつぶやいてしまいました。


そんな妄想族。



2月10日(日)23:04 | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理

いいこと日記

以前、「ほんとうに大切なこと」という本の感想を載せたことがありましたが
その話の最後の方で、おばあちゃんが孫娘に、日記帳を贈る場面があります。

おばあちゃんは少女時代、戦争から逃れて隠れ家生活をしていたことがあったのですが、
その時、少しでも希望を見失わないように、かくまってくれてる人から紙とペンをもらい、
その日その日の良かった、と思えたことを書き記すことにしたのです。
どんなに辛い日々でも、一日にひとつくらいは良かったと思えることがあるはず。
たとえば窓の外に綺麗な蝶々がとまっていた、とか、そんなささいなことでも
良かったこととして書き記していきます。
そうして辛い隠れ家生活を、どうにか乗り越えたことを話して、
おばあちゃんは、自分の時のように、孫娘にも辛い日々を乗り越えて欲しいと
願いをこめて、日記帳を贈るのです。

私は、いい話だなぁと思い、自分でもそういう日記をつけることにしました。
わざわざそのために日記帳を買うと、長続きしなかった時にもったいないので
百円ショップで買ったメモ帳に記すことにしました。

なさそうで、あるものですね。
一日にひとつくらいは、良かった、と思えることが。

愚痴や暗い話は一切書かず、ひたすら良かったことだけを記すのです。
やってみると、なかなかよいものです。
なんの変哲もない自分の毎日も、「悪くない」と思えてきます。

そしてつい最近、ある人のブログをのぞいたら「雑貨屋さんで、いいこと日記
というのをみつけました。」とありました。
その日記は、表紙に「いいこと日記」と書かれてあり、ひたすら
良かったことだけを記すための日記なのだそうです。

「はじめてみたら、なかなか良いものです。」とその人も言ってました。

もしかしたらその日記帳を作った人は、あの小説をヒントにしたのかも。

そういえば四半世紀も前のことですが、人気のあったテレビアニメ
「愛少女ポリアンナ物語」にも、似たような話がありました。
「どんな毎日にも、必ず一日にひとつくらいは良いことがあるはず。
それを寝る前に探して、ああ良かった、今日も良い一日だった、と
思うことにしたら、毎日が楽しくなってくるはず」とポリアンナが提案するのです。
そのアニメの原作のタイトルは確か「少女パレアナ」だったと思います。

「少女パレアナ」を読んで、それをヒントに「ほんとうに~」の作者が
小説を書き、「いいこと日記」を発案した人が「ほんとうに~」を読んで
日記帳を作ったのかな。。。とひとりで勝手に想像して、
ニンマリしています。



2月8日(金)23:50 | トラックバック(0) | コメント(2) | 社会 | 管理


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