ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2015年2月を表示

「葉桜」

   橋本紡(集英社文庫)

高校三年生の櫻井佳奈は受験生にもかかわらず、塾にも行かないで、
ひたすら書道教室に通うことを生きがいとしていました。
その理由は長年、書道教室の先生に恋をしてるからで、
先生には奥さんがいることも承知で、先生と奥さんの間には
他者を決して入り込ませる隙を感じさせない、独特の絆すら見受けながらも
ただひたすら会いたくて、通い続けるのです。

そして書道教室に不意に現れた同級生の津田くんと関わったり
辛い事情をかかえた妹、紗英の心配をしたりしていくうちに
佳奈の中で変化が訪れます。

橋本氏の作品を読む度にいつも思うことは「この人は本当に男性なのだろうか?」
ということです。
それくらい、女性の、特に思春期の女の子の心理描写が適格なのです。
そしてラストに先生と思いを伝え合う、その方法がとても切ない。
ほとんど言葉を交わさないのに、それゆえに尚更切ない。
けれど読後はとても清々しい気持ちになる作品です。

========

先日の一件ですが、その後書店に行ったら「蘇る変態」がありました。
喜んで購入し、読んでみると、一頁目から変態ぶり炸裂で
とても嬉しくなってしまいました。

と、「葉桜」の感想のあとに書くような内容じゃないな、と思いつつも
報告させていただきます。

てか、本の感想書いたの、随分久しぶりですね(苦笑)



2月24日(火)23:03 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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