「葉桜」 |
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| 橋本紡(集英社文庫)
高校三年生の櫻井佳奈は受験生にもかかわらず、塾にも行かないで、 ひたすら書道教室に通うことを生きがいとしていました。 その理由は長年、書道教室の先生に恋をしてるからで、 先生には奥さんがいることも承知で、先生と奥さんの間には 他者を決して入り込ませる隙を感じさせない、独特の絆すら見受けながらも ただひたすら会いたくて、通い続けるのです。
そして書道教室に不意に現れた同級生の津田くんと関わったり 辛い事情をかかえた妹、紗英の心配をしたりしていくうちに 佳奈の中で変化が訪れます。
橋本氏の作品を読む度にいつも思うことは「この人は本当に男性なのだろうか?」 ということです。 それくらい、女性の、特に思春期の女の子の心理描写が適格なのです。 そしてラストに先生と思いを伝え合う、その方法がとても切ない。 ほとんど言葉を交わさないのに、それゆえに尚更切ない。 けれど読後はとても清々しい気持ちになる作品です。
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先日の一件ですが、その後書店に行ったら「蘇る変態」がありました。 喜んで購入し、読んでみると、一頁目から変態ぶり炸裂で とても嬉しくなってしまいました。
と、「葉桜」の感想のあとに書くような内容じゃないな、と思いつつも 報告させていただきます。
てか、本の感想書いたの、随分久しぶりですね(苦笑)
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2月24日(火)23:03 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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