ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2010年5月3日を表示

「ラジオ・エチオピア」

   蓮見圭一(文春文庫)

作家である主人公が、友人に知的で美しい女性を紹介されて
一気に恋に堕ちます。
妻子がありながら、そして女性には子どもがいながら、ふたりは
なりふりかまわず逢瀬を重ねます。
しかし彼女が嘘をついていることに気付き、友人にも
「あの女とは手を切った方がいい。」と忠告され、
挙句の果て、妻が彼女達のメールを盗み読んでいたこともわかり、
情熱的な恋も終わりを告げるのです。

もう、最初にこの女性が現れて、しゃべり始めた時点で「こういうタイプ、
苦手だわ。」と思いました。
頭が良くて色んな知識にあふれているのでしょうが、それを
ことあるごとにひけらかさないと気がすまないかのように、
とにかく、おしゃべりなのです。
「今夜は比類なきモルト・アレグロの第一楽章をリフレインで聴きましょう。
これに関してはシューリヒトが最高なんだけど、チェリビダッケで
我慢してね。もう少しテンポが速いのがよければ、フランス・ブリュッヘンと
18世紀オーケストラのものもあるわ。」などなど、
すべてに関してこの調子なので、知的美人が好きな男の人には
最初は楽しいでしょうが、やがて会う度に本やCDを持ってきて、
次に会うまでに感想を述べなければならない、というのは
すぐに気が重くなるはずですよね。
けれど、終盤はもっとドロドロするのかな、と思いましたが
それほどドロドロにならず、わりとあっさり終わったのでホッとしました。

それにしても主人公の奥さん、夫のパソコンにメールがくると、
自分のパソコンに転送されるように設定するなど、なかなかやるわね、
女って恐いわね。と自分も女なのに、感心してしまいました。



5月3日(月)23:02 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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