「ラジオ・エチオピア」 |
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| 蓮見圭一(文春文庫)
作家である主人公が、友人に知的で美しい女性を紹介されて 一気に恋に堕ちます。 妻子がありながら、そして女性には子どもがいながら、ふたりは なりふりかまわず逢瀬を重ねます。 しかし彼女が嘘をついていることに気付き、友人にも 「あの女とは手を切った方がいい。」と忠告され、 挙句の果て、妻が彼女達のメールを盗み読んでいたこともわかり、 情熱的な恋も終わりを告げるのです。
もう、最初にこの女性が現れて、しゃべり始めた時点で「こういうタイプ、 苦手だわ。」と思いました。 頭が良くて色んな知識にあふれているのでしょうが、それを ことあるごとにひけらかさないと気がすまないかのように、 とにかく、おしゃべりなのです。 「今夜は比類なきモルト・アレグロの第一楽章をリフレインで聴きましょう。 これに関してはシューリヒトが最高なんだけど、チェリビダッケで 我慢してね。もう少しテンポが速いのがよければ、フランス・ブリュッヘンと 18世紀オーケストラのものもあるわ。」などなど、 すべてに関してこの調子なので、知的美人が好きな男の人には 最初は楽しいでしょうが、やがて会う度に本やCDを持ってきて、 次に会うまでに感想を述べなければならない、というのは すぐに気が重くなるはずですよね。 けれど、終盤はもっとドロドロするのかな、と思いましたが それほどドロドロにならず、わりとあっさり終わったのでホッとしました。
それにしても主人公の奥さん、夫のパソコンにメールがくると、 自分のパソコンに転送されるように設定するなど、なかなかやるわね、 女って恐いわね。と自分も女なのに、感心してしまいました。
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5月3日(月)23:02 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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