「いい言葉は、いい人生をつくる」 |
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| 斎藤茂太(成美文庫)
何かにつまづいたり、困ったり戸惑ったりした時は斎藤茂太さんの本、と 決めているくらい、この人の書いたものはいつも励みになります。 目次を読むだけでも、格言みたいでなるほどなぁ、と頷けてしまうのです。 「人生に失敗がないと、人生を失敗する」 「いま何がないかより、いま何があるかで発想しよう」 「体に悪いことを人生から差し引くより、体にいいことを人生にプラスしよう」 などなど。。。
この人の本は何冊か読んでますが、いつも読後はスッキリした気分になります。 今回も期待通りに、スッキリしました。
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5月28日(火)22:59 | トラックバック(0) | コメント(2) | 趣味 | 管理
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「とんび」 |
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| 重松清(角川文庫)
息子のアキラが5歳の時、最愛の妻、美佐子が亡くなり、男手ひとつで アキラを育てることになったヤス。 周りがあきれるくらい不器用で照れ屋だけど、近所の人達や 同じ職場の人達は、純粋でまっすぐな生き方をしてるヤスが好きで 何かと手助けをしてくれます。 そんなヤスとアキラの物語です。
今やってるドラマを観て(タケルちゃんが出てるし)原作が読みたくなりました。 元々重松清の小説は好きだし、家族愛を書かせたら、やはりピカ一だと思いました。
ドラマも泣けるけど、原作も泣けます。
家族間の関わり方ももちろん大事だけど、この話にでてくるような ご近所さんや、同じ職場の人達との関わり方もすごく愛があっていい。 こんな風に大勢の人達から見守られて、愛された子どもは いい子に育つのだな、とつくづく思いました。
また別の作品も読みたくなったし、今まで読んだ重松清の作品も 読み返したくなってしまいました。
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3月7日(木)14:38 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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「そして生活はつづく」 |
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| 星野源(文春文庫)
ミュージシャンであり、俳優でもあり、文筆家でもある星野源のエッセイ。 色んな分野で活躍しながらも、日常生活の細々したこと(食事を作る、 掃除洗濯をするなど)が苦手で、過労で倒れたり、携帯電話の料金も すぐに払い忘れるし、街を歩けば占い師の人に続けざまに声をかけられるほど 薄幸顔だったりするし、人付き合いが苦手で自分から知らない人に 話し掛けることができなかったりするけれど、「自分のやりたいことで お金を稼ぐ」という信条は変わらず、一生懸命に生きてることが印象的でした。
ゲラゲラ笑いながら読める、楽しい内容なのですが、なんせ下ネタが多いので、 そのテのものが苦手な人にはオススメしません。
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先日、バスに乗っていたら隣に座っていた若い女の子に話しかけられました。 オバサンが若い子に話しかける、ということはたまにある話ですが、 逆パターンは珍しいでしょう。 おまけにその女の子は、彼氏らしき男の子と一緒でしたから、 「よほどヒマだった」というのも考えられないし、考えられるとしたら ただ単に人懐こい人か、あるいは私がその人にとって親世代なので ちょっとしゃべってみたかっただけなのかもしれません。
しゃべってみたら、共通の話題が多くて、話が途切れることはありませんでした。 その子は今は大学生だけど、中学高校時代はバンドをやっていたそうです。 うちの息子達もバンドやってる、とか、兄弟や親のこととか、 受験をどうやって乗り越えたかなど、短い時間に色んな話をしてしまいました。
帰る時も奇遇にも同じバスで、私の隣の席が空いているのを見て、彼氏さんが 「お前は座ればいい。俺は立ってるから。」と言ってくれたので、 またおしゃべりできました。 その時、ふとその子がちょっと愚痴をこぼしたのです。 親とあまり仲良くないのだ、と。 「親子、仲いいですか?」と質問されたので、「今はわりといいけど、 長男が高校生の時、大学に行かない、と言い出した時はすごくもめたよ。 どこの家でも色々あるよね。」としか言えなかったけど、 今思えば、もう少し気の利いたことを言ってあげられたら良かったのかもしれません。
明日からは会うことのない他人だからこそ、ふと本音をもらしてしまうことが あるのでしょう。
もう少し時間があったら。。。と思いつつも、 案外、
「あ~!気まぐれで話しかけたけど、おしゃべりなオバサンでまいっちゃった! 話しかけなきゃよかった!」と彼氏と話してたりして。。。
でも私は、あの子と話ができて楽しかったし、話しかけてもらって 嬉しかったよ
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3月6日(水)17:40 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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「ほかならぬ人へ」 |
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| 白石一文(祥伝社文庫)
資産家の御曹司として生まれながらも、宇津木明生は出来の良い兄達との違いを 幼い頃から感じていて、家柄を気にせず平凡な人生を歩もうとします。 キャバクラで知り合った「なずな」と結婚し、ごく普通の生活を夢見ていたのですが なずなの裏切りにあい、混乱して衰弱していきます。 しかし常に行動を共にしていた上司の女性の辛い過去を知り、 彼女が発する、あることに惹かれ、自分を取り戻していくのです。
表題作の他に「かけがえのない人へ」というお話も収録されてます。 このふたつの作品には、やたらと変わった人が出てくるのですが、 変わっていながらも何故か憎めない、どこでもいそうな人に思えてくるのは 作者の筆力なのではないかと思いました。 ハッピーエンドではないのに、何故か読後にすっきりした気持ちになる 物語でした。
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えっ!えっ! もう3月なの?!
ど、どうしよう!!
そんな3月。 されど3月。
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3月1日(金)16:01 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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「ミュージック・ブレス・ユー!!」 |
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| 津村記久子(角川文庫)
高校三年生のオケタニアザミはベースを担当していたロックバンドが解散になり、 他にやりたいこともなく、進路も決まらず、グダグダな日々を過ごしています。 親友のチユキや歯医者でよく会う同級生は、それぞれ自分の進むべき道をみつけだし、 少し焦りを感じるけれど、そんな状況でもアザミの頭の中には 常に音楽があり、音楽を聴いている間は生きている意味を見出せる気がします。 周りに流されず、自分らしく生きていこうとする物語です。
この、チユキとアザミのオトコマエな友情がいい。 そしてクラスメイトの、普段は一緒にいないけど、遠くから見守ってて、 時々、その存在のありがたみを感じさせてくれるところもいい。 高校生で、はっきり将来の目標を決めている人の方が少ないと思うけど、 だからといって、のんびり構えてもいられない。 手探りでも、目標のようなものを探し出さなければならない。 そんなあやうい年頃の人達を上手く描いた作品だと思いました。
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ここのところ、この人とは気が合う、話してると楽しい、と思っていた人が 遠くに行ってしまう、ということが立て続けにあり、そのたびに がっくりとしおれてしまうのでしたが、つい先日もまたひとり、 遠くへ行ってしまいました。
しかも海外へ。。。
元々、海外旅行はしょっちゅうしていた人だし、語学力もあるし、 どこへいっても順応してしまう能力はありそうだし、 美人だからもてるだろうし、うまくやっていくのだろうな、とは思うのですが。
やっぱり寂しいものは寂しいです。
以前ここで、こういう心理は「卒業していく学生を見送る下宿屋のおばちゃんの気分」と 書いたことがありましたが、下宿屋のおばちゃん家業も切ないものがあります。
そういえば去年、その人からクマちゃん型パスタをいただいたのですが、 もったいなくて、まだ食べてませんでした。
このまま食べないのはもっともったいないので、近々食べようと思います。
またいつか会いましょう。M子様!
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2月26日(火)13:50 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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