「れんげ荘」 |
|
| 群ようこ(ハルキ文庫)
45歳のキョウコは慌しいOL生活と、折り合いの悪い母親に ネチネチと嫌味を言われ続ける日々に飽き飽きして、会社を辞めて 古くて安いアパートを借りて、一人暮らしを始めます。 OL時代に貯めたお金をざっと計算すると、月10万で暮らせば、どうにか老後まで 働かずにすみそうなので、「生活費はきっちり毎月10万円」と決めて 他にはなんの目的も持たずに暮らします。 同じアパートに暮らす60歳すぎのクマガイさん、 職業は「旅人」と言う、ちょっと変わった人、コナツさんなど、 個性豊かな人達と関わりながら、一人暮らしの不便さや、 何気ない日常の中のちょっとした贅沢を味わいます。
45歳の女性が、仕事もお稽古事もボランティア活動もせず、 ただ毎日を淡々と過ごす日々を描いたものなのですが、 素っ気ない内容にならず、毎日色んな出来事が起きて、とても興味深く読めました。 実際、この小説を読んで、気持ちにゆとりある暮らしに憧れ、勤めを辞めて、 貯金だけで暮らす日々を選んだ女性もいるそうです。 この「れんげ荘」の次に読んだ群さんのエッセイ「小福歳時記」の解説者が そう書いてました。
| |
|
11月8日(金)15:22 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
|
「真昼なのに昏い部屋」 |
|
| 江國香織(講談社文庫)
完璧に主婦業をこなし、夫やその家族にも忠実な美弥子は、 友人を通じて知り合ったジョーンズさんに誘われて、散歩に出掛けるようになります。 大学の講師を務めていて、学生にも慕われ、友達づきあいも大切にするジョーンズさんは 話題も豊富で、散歩の度に美弥子は見慣れたはずの街に新しい発見をします。 ジョーンズさんと会うことに、なんのやましさも感じない美弥子は いつも夫に外出の報告をしていたのですが、夫は美弥子の話には上の空で 勝手に、複数で散歩に出掛けていると勘違いしていたのでした。 しかし穏やかであったはずの日々に、美弥子の友人が、夫にジョーンズさんとのことを 忠告したことから、美弥子と夫、美弥子とジョーンズさんとの関係が 変わっていくのです。
以前は、好きな作家を聞かれたら、すぐに「江國香織さん!」と答えるくらい 大好きだったのですが、段々と小説の中の女性に共感できなくなり、 何年も江國さんから離れていました。
久しぶりに江國さんの小説を書店でみかけて、手にとってみて、 この、美弥子という人なら共感とまではいかなくても、 好感を持てそうで 読んでみたのですが、やはり潔い行動力に好感を持ちました。
風景描写、心理描写、言葉の選び方など、江國さんは日本語を とても綺麗に使う人なのだと、再確認しました。
| |
|
10月27日(日)00:19 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
|
「龍神の雨」 |
|
| 道尾秀介(新潮文庫)
添木田蓮、楓の兄妹は、父親を亡くした数年後に母親も亡くし、 母親の再婚相手である継父と三人で暮らしていました。 継父は妻の死からなかなか立ち直ることができず、自暴自棄になり、 仕事も辞めて兄妹に暴力までふるうようになりました。 「あいつさえいなければ、この世から消えてくれれば・・・」 そう願う蓮の、バイト先である酒屋に来た、溝田辰也、圭介兄弟も 母、父と続けて亡くし、面倒をみてくれている継母に反発を感じていたのでした。 蓮の店で万引きをはたらく辰也、圭介兄弟。 降り止まない雨の中、二組の兄弟が交差し、四人の運命を翻弄していきます。
道尾さんの作品は二作目です。 ネットの批評によると、道尾さんの作品は後味のよろしくないものも いくつかあるけれど、そんな中にもどこかしら救いがある、とのことでしたが この作品はどうかなぁ。。。と思いながら解説を読んだら、納得しました。 解説を書いた橋本満輝氏が深読みしていたおかげで、救いの部分を 見出すことができました。 この作品は、なんどもどんでん返しがあり、伏線の張り方も さりげなくて、どきどきしながら一気に読めます。 いえ、読まずにはいられない、そんな一冊でした。
| |
|
10月22日(火)23:35 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
|
「あなたは絶対!運がいい」 |
|
| 浅見帆帆子(幻冬舎文庫)
最近ツイてない、と思う人。夢は持っているけれど、なかなか実現しない人。 心の持ち方ひとつで運気は変えられます。 尊敬できそうな人と出会ったり、交際範囲が変わってきた、と思った時が 絶好のチャンスです。 彼らにレベルをあわせるように努力して、自分自身のレベルも上げるようにすれば 運は必ず開けてくるはず。 そんな、元気がもらえる一冊です。
========
森山直太朗氏の呪縛(?)から、逃れられなくなった今日この頃。 一日一回はミニアルバムを聴かないと気がすみません。 もはや直太朗中毒。
略して「直中」。
アルバムの最後の曲にさ~よな~ら~というフレーズが でてくるのですが、 なかなか、さよならできません。
恐るべし!直太朗! 侮るなかれ!直太朗!
| |
|
9月12日(木)16:56 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
|
「太陽のパスタ、豆のスープ」 |
|
| 宮下奈都(集英社文庫)
結婚を間近に控えた明日羽(あすわ)は、レストランで婚約者に突然、 婚約解消を告げられます。 途方に暮れていると叔母のロッカさんに、自分がこれから先、やりたいことを書く 「ドリフターズ・リスト」を作ることをすすめられます。 失意の中、やりたいことなどなかなかみつけられず、とりあえず 「食べたいものを好きなだけ食べる」 「髪を切る」 「引越しをする」 などいい加減に書いていくと、ロッカさんが強引に、実行にうつすべく、 明日羽をけしかけます。 そうこうしていくうちに、自分が今まで見過ごしてきたものや、 その場の空気に流されるまま生きてきたことに気付かされ、 自分の心の中を見つめ直し、成長していこうとする物語です。
宮下奈都さんの小説も、今回初めて読みました。 非常に読みやすく、全体的にユーモラスに描かれているので 楽しく読むことができました。 他にも評判の良い作品があるので、いつか読んでみたいと思います。
========
森山直太朗氏の「夏の終わり」ばかり聴いていたら、かえって 秋がきた実感がもてずにいる、ずずでございます。
今日は非常にいい夢をみました。 夢の中で、私は大学生くらいという設定で、なんと!彼氏が福山雅治さんなのです。 福山くんと、ひたすら散歩デートしてました。 公園とか、工事中の建物の中とか、ず~っとお手手つないで。
途中で高校時代の先輩カップルに出くわしまして、ちょっとしゃべって別れたあと、 「今、先輩たち、あのこ、すっごくイイ男と一緒にいたね、って話してるよ。」 と言うと、福山くんはちょっと悲しそうな顔で笑ってました。
そのあと心の中で「ああ違う!ただの、イイ男じゃないんだ、私の彼氏は。 福山雅治なんだ!どうしよう!福山雅治と付き合ってるんだ、私は。 だめだよ、私なんかじゃ福山くんとつり合わない。 ああ、どうしよう!どうしよう!」 と叫び、のた打ち回ってるところで目が覚めました。
ネコ達は「か~ちゃん、早くエサおくれ!」とばかりにニャーニャー鳴いてて、 ネコ達にエサをあげたあと、ネコトイレの掃除しながら (これが私にふさわしい現実なんだよな~)と思ってしまいました。
ネコのウ○○と格闘する数分前までは、夢の中で福山くんとデートしてたのに。
福山くんに限らず、イイ男が彼氏の場合、ず~っとコンプレックスかかえて 付き合っていかなきゃならないから、夢でおわって良かったのでしょう。
うんうん。
昔懐かしい、柳沢慎吾さんのセリフがうかんできます。
「いい夢みさせてもらったよ!アバヨ!」
けどさ~夢なら、なにしても許されるよね。 なんでもアリだよね。
夢よ!再び!
| |
|
9月7日(土)22:07 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
|