ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



趣味

「歪笑小説」

   東野圭吾(集英社文庫)

「怪笑小説」「毒笑小説」「黒笑小説」に続く、短編集第四弾。
前回の「黒笑小説」の前半に、出版業界の話が書かれていましたが、
今回は全編にわたり、出版業界のお話です。
ですから「短編集」というより「連作短編集」と言った方が
正しいですね。

上司の型破りな仕事ぶりに毎日驚かされる新人編集者。
自分の作品がドラマ化されることになり、浮かれてキャスティングにまで
口をはさもうとする若手作家。
美人で性格の良い担当者に恋心を抱いてしまった作家。
などなど、モデルになった人がいるのでは?と想像しながら
楽しく読める内容です。

出版業界の実態を暴露するような作品なので、前作から反響が大きかったらしく、
東野氏は「もう二度と出版業界の話は書きません。」と宣言したようなのですが、
すごく面白かったので、またぜひ、このようなお話を書いていただきたい、
と思いました。

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新潟地方、今日は数日振りの雨です。
たま~になら、雨もいいものです。
色んなものを洗い流してくれる気がして。

たま~になら。



7月12日(木)13:59 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「ポトスライムの舟」

   津村記久子(講談社文庫)

かつての職場でパワハラにあい、しばらく引きこもりの生活をしていた
長瀬由紀子は現在、いくつかのバイトを掛け持ちしながら
母親と二人だけで地味に暮らしています。
そんなある日、メインで働いているバイト先で世界一周クルージングの
ポスターを見かけます。
その費用は、メインで働いてるバイトの給料の一年分と気付き、
旅行費用を貯めてみようと決心をします。
ところがその矢先、小旅行に行く予定を持ち掛けられたり、
友達が子連れで家出してきて、しばらく由紀子の家に世話になりたい、
と言ってきたり、お金のかかることばかり起きてしまうのです。
けれど、そんな日々にも愛着を感じてしまう物語です。

この作家さんの作品を読むのは初めてですが、タイトル作の他に
もうひとつ、短編がはいっていて、どちらも私には好きな作風でした。

ネットで調べてみると、作家さん自体は評判良くても、この作品の評価は
いまいちなようで、それでも私は気に入ったので、他の作品も
読んでみたくなりました。

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ついこの間まで雪も積もっていたし、いつまでも寒かったけど、
3月にはいった途端、日も長くなったと感じられるし、たまに差し込む日光も
力強く感じるし、おまけに驚いたことに庭の紫陽花に芽がでていて、
確実に春が近づいているんだな、と実感しました。

去年は草取りなどの庭の手入れを怠ったために、紫陽花の咲きが悪かったので、
今年こそは、沢山、咲かせます!


花咲かババアと呼ばれたい!



3月6日(火)15:06 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「主題歌」

   柴崎友香(講談社文庫)

美大出身で現在、会社勤めをしている浅井実加は同僚の女性や
アルバイトの女の子と「可愛い女の子」について語り合うのが趣味。
どこそこのレストランに新しく入ったスタッフの子が可愛い、とか
友達の友達に可愛い子がいた、とか情報交換したり、自宅で
「女子限定カフェ」を開いたり。
そして同じ美大出身で、未だに夢を追い続けてる友人に、
「そろそろちゃんとしたら?」と説教しつつも、さっさと芸術方面から
遠のいてしまった自分に「これで良かったのか?」と自問自答したり。
そんな日々を淡々と描いた作品です。

この作家さんの小説は、どこにでもいそうな女の子の、何気ない日常を
描いたものが多いのですが、読後は必ずちょっと元気になれるのです。
今回も、ちょっと元気になりました。

可愛い女の子は私も好きです!(オヤヂ発言

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最近、うちのネコ達の夜中の活動がハンパないです。
元々ネコは夜行性なので、夜に暴れ出すことは珍しくないとはいえ、
近頃の暴挙ぶりは目にあまるものがあります。
ゆうべもエサ箱をおそって中身をむさぼり食べて、つっかえて
吐き出したり。
エサ箱を隠したら、怒って余計に暴れる始末。

「探さないでください。」と置手紙して、家出したい気分です。



2月27日(月)15:43 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「彩乃ちゃんのお告げ」

   橋本紡(講談社文庫)

ある宗教の教祖様の後継ぎと噂されている、小学5年生の女の子、彩乃ちゃんは
諸事情により、他人の家にあづけられることになります。
あづかる家の人達は、いきなり見知らぬ女の子の面倒をまかせられて
最初は戸惑うのですが、彩乃ちゃんに馴れていくにしたがって、
良いことが起きるようになり、彩乃ちゃんをあづかった恩恵だと
気付くことになります。

読んでいて「彩乃ちゃん、ウチにも来ないかな。」と思ってしまいました。

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あるところに生クリームは嫌いだけど、ココアは大好き、という
男の子がいました。
その子が喫茶店に悪寒、違った、オカンとはいった時にココアを頼んだのですが
喫茶店で頼むココアというのは大抵、生クリームがたっぷりと上にのって
いるのです。
その喫茶店でも御多分にもれず、生クリームがのっていて、
しまった!と心で叫んでも時すでに遅しで、これはとても飲めない、
と思った男の子は、オカンに「お願いだから、オカンの紅茶とかえて。」と
言うのでした。
オカンは「私はケーキ食べる時は砂糖抜きの紅茶、と決めてるのよ!
なにが悲しゅうて甘ったるいココアなんぞと食べなあかんねん!」とキレながらも
やはり自分の息子が可哀相に思えて、しまいには仕方なく
自分の紅茶ととりかえた、という黒歴史があるそうな。

しかしその男の子には兄がいて、兄の方は大の甘いもの好きで、
先日、ちょっと気になるジョシと一緒にケーキバイキングなるものを
食べに行ったそうで、家に帰ってきてから、「ボクは6個食べたけど
ジョシは7個も食べたんだよね。すごいよね。さすがはジョシだよね。」
などととても幸せそうに話すのをみて、生クリーム嫌いな男の子は
自分もジョシと仲良くなりたい!と思い、生クリーム嫌いを
克服する決心をしたらしいとか。

しかし、そこんちのオカンは(生クリーム嫌いを克服する前に
仲良くしてくれそうなジョシを探す方が先なのでは?)
と思ったとか。

ある冬の寒い日の出来事。



2月16日(木)16:12 | トラックバック(0) | コメント(2) | 趣味 | 管理

「ざらざら」

   川上弘美(新潮文庫)

今まで読んだ川上さんの小説は、熊が近所に住んでいて、
友達のように普通に会話したり、道端で踏んでしまったヘビが人間になり、
自分の部屋に住み着いてしまったりするような、非現実的なものが
多かったのですが、これはちょっと面白くてちょっと切ない
リアルな、恋する人々の短編集です。
若い人達にはとても共感できると思うし、若い時代を通り過ぎた人達には
懐かしい気持ちにさせられます。

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昨日、従兄が経営してた会社が倒産した、と聞きました。
当面の生活費や、住むところはなんとかなりそうなのが
不幸中の幸いですが、近々、長年住み慣れた家を手放さなければ
ならないそうで、ショックでした。

その家は、私が生まれた家でもあるのです。
自分が生まれてから5歳くらいまで住んでいたし、思い出の多い
場所でもあるので、そこがなくなるのはショックです。

ああ、良い話はなかなかないなぁ。。。



1月12日(木)14:34 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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