ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 


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「箱庭図書館」

   乙一(集英社文庫)

自分が作家になろうと思ったのは、小学生の時、日誌に書いた創作文がきっかけで
担任の先生に「続きが読みたいからもっと書いてみて」とノートまで渡され、
才能があると褒められたから…「小説家のつくり方」

中学時代、周りになじめなかった「僕」は高校生になってから、自分を少しでも変えるため
部活にはいった。
しかしはいった文芸部の部員は小山先輩ひとりで、目論見は見事にはずれてしまった。
それでも教室に自分の居場所がなかった「僕」は日々、部室に通う。
そして何故か小山先輩とは、憎まれ口をたたきながら自分をさらけ出すことが
できるのだった…「青春絶縁体」

真面目で勉強ができて、良い子の「僕」は周りの人々の期待に応えるため
良い子でい続けなければならなかった。
しかし良い子でいる日々は窮屈で、そんな僕の楽しみは、
ある日拾ったカギを、あちこちの家の鍵穴にさしこむことだった。
いつかはカギが開くことを願って放課後、ちょっとした時間をカギを開ける作業に
さいたが、なかなかカギは開かない。
段々と行動範囲を広げていくうちに、家からそう遠くない場所にも
色んな風景があるということに気づく…「「ワンダーランド」

など、まったく関係がないようにみえて、不思議と折り重なる
6編の連作短編集です。

この小説を読み終わってから、「あとがき」を読んで初めて気づいたのですが
この小説は、新しいアイデアがなかなか浮かばなくなった乙一氏が、
「オツイチ小説再生工場」と称して、読者から募集した小説の中から
いくつかピックアップして、自分流にアレンジした作品集なのだそうです。
オリジナル小説はネットで公開されてるそうですが、元は乙一氏の作品ではないので
ファンの間では賛否両論だったそうです。
私としては、純粋に楽しめたので、こういうのもたまにはいいかな、と思いました。



10月3日(金)13:05 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「家族往来」

   森浩美(双葉文庫)

花屋を営む夫婦は経営難のため、妻の弟夫婦に借金の連帯保証人になってほしい、と
頼みに行くのですが
弟に「もう諦めてお店をたたんだ方がよいのでは?」と断られてしまいます。
お店をどうにか続けたいのは、今は亡き母親が苦労して守ってきたことの他に、
もうひとつ、理由があったのでした。…「お福分け」

イラストライターの沢口は、幼い頃から家庭に恵まれなかったせいか、
幸せそうな親子をみつけると、こっそりスケッチするくせがありました。
ある日も電車の中でみかけた親子をスケッチすると、母親に気づかれて、
「絵が完成したら、その絵が欲しい。」と話しかけられます。…「雛の手」
など、ラジオドラマにもなった、ちょっと切なくて心温まる8編の短編集です。

森浩美氏のこの「家族シリーズ」は今回で6作目だそうで、
その記念に(?)以前出てきた人や親子をカメオ出演させたそうです。
いく人かは気づいたのですが、もしかしたら気づいてない人も
いるかもしれないので、機会があったら前作も読み返してみようと
思います。

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最近は、なぜか「今更?」なバンドにはまってます。

ガリレオガリレイ
陰陽座
Acid Black Cherry

「今更?」と言われても、いいものはいい。



9月30日(火)00:45 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「鬼の足音」

   道尾秀介(角川文庫)

不注意から壊してしまった椅子の足に、作り手のメッセージをみつけた主人公は
そのメッセージから、43年前に起こった事件にたどり着きます。
椅子は刑務所作業製品で、製作者は家族を惨殺し、無期懲役の判決を受けましたが
懲役5年目の冬、自ら命を絶っていました。
メッセージの意味を探るべく、主人公は事件と深く関わりのあった人を
訪ねます。…「ケモノ」
など、心の鬼に捕らわれた人々を描いた6編の短編集です。

「ネタバレせずにその小説の良さを伝えるのは非常に難しい」と言った人がいましたが、
私も同感で、特にミステリーなどはヒントすら出さないように
感想を述べるのが難しく、「とにかく少しでも興味のある人は読んでみて!
絶対損はさせないから!」としか言いようがないのです。
道尾秀介氏もミステリーの名手で、この作品においても、
6編がなんの脈絡もない短編集ですが、ある章で疑問が残った部分を
別の章でさりげなく伝えてくれるあたり、もう、憎いくらいです。
なお、タイトルの「足」は実際には別の漢字が使われてますが、
私のパソコンでは変換してくれなかったので、普通の「足」という字を
使わせていただきました。

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一か月ほど前、経費節減のため安い美容院に行ったのですが、
そこで思い切り髪にすかしを入れられ、最初はラッキー!と思ったのも束の間、
髪を結ぼうとすればゴムはすべり落ちるし、それでいて朝起きた時の
「山姥感」は今までと何一つ変わることなく、相変わらず次男に毎朝
「不細工だな」と言われ続けてるし、こんなことなら、すかしてもらわなければ良かったと
後悔してます。

髪の量が元に戻るまで、ひたすら待つか、あるいはパーマをかけるか
あるいはいっそ、ショートにしちゃうか、迷い中です。



9月6日(土)23:36 | トラックバック(0) | コメント(3) | 趣味 | 管理

「サクラ咲く」

   辻村深月(光文社文庫)

引っ込み思案で言いたいことがなかなか言えない塚原マチは
読書が好きで、中学に入って一番の楽しみは、図書館に行くことでした。
ある日、気になる本のページをめくっていると一枚の便箋が落ちました。
そこには「サクラチル」とだけ書かれてあり、それ以来、手にする本にはすべて
何故か便箋がはさまれていて、短いながらもマチにとってジンとくる言葉が
書かれています。
もしかしたら身近にいる誰かが自分にメッセージを送っているのか、
それとも単なる偶然なのでしょうか。

そして自然とメッセージの送り主と交流を深めていきます。…「サクラ咲く」
など、表題作を含めた3つの連作短編集です。

青春ものはちょっと苦手なのですが、辻村さんの小説は読んだことがなく、
この小説なら読みやすい気がして読んでみたのですが、見事にはまりました。
誰しも心の中にかかえている闇の部分を、押しつけがましくなく、
さりげなく書かれているところが好感持てました。

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長男は、ごく一部の人達から「チャーリー」と呼ばれているのですが、
先日その「ごく一部の人達」に偶然会った時に
「あ、チャリママ」と呼ばれてしまいました。

「チャーリーママ」と略さずに言ってほしかったスね。
「チャリママ」だと「ママチャリ」の業界用語みたいで
なんだかなぁ。。。
なんだかなぁ。。。




「夏の終わり」絶賛ヘビロテ中!

てか、もう夏じゃないんですけど。。。



9月2日(火)13:56 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「その日のまえに」

   重松清(文春文庫)

医師に検査結果を知らされ、そのまま家に帰ることができずに、
幼い頃に過ごした思い出の街を訪ねた佐藤俊治は、偶然にも小学校時代の同級生に会い、
心の奥底にあった悲しい出来事について話し合います…「潮騒」
など、大切な家族や友人とのこれからの日々を断ち切ってしまう「その日」を
向かえるまでの、あるいは「その日」を向かえたあとの話を綴った
7編の連作短編集です。

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腰の痛みは段々と軽くなっています。

ですがROUGAN(笑)がすすんだせいか、目も疲れやすく、読書のペースは落ちてます。
それでもまだ読みたい本がたくさんあるので、ゆっくりでも
できる限り読み続けたいと思ってます。



8月21日(木)21:27 | トラックバック(0) | コメント(3) | 趣味 | 管理


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