ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



趣味

「とり残されて」

   宮部みゆき(文春文庫)

交通事故で婚約者を亡くしたが、加害者が未成年だったために
たいした罪に問われず、憎悪を抱いたまま小学校の養護教諭を勤める女性が
小さな男の子の気配を感じるようになります。
その気配はだんだんとはっきりしたものになり、ある日、
男の子のあとをついていくと、プールに浮かぶ溺死体を発見してしまうのです。
その男の子の正体は?その男の子と溺死体との関係は?

商談を終え、乗った新幹線でたまたま居合わせた二人のOLに話しかけられた鳥羽は
彼女達の職場で最近起こった出来事を聞かせられます。
そして彼女達は、その出来事と深い関わりのあった井坂という、
交通事故で亡くなった若い社員と鳥羽が似てる、と言うのです。
そのことである考えが浮かび、数日後、彼女達の職場を訪れるのですが・・・

調査事務所を営む河野のところに永井梨恵子という女性が訪ねてきて
自分がみる夢の中の風景が、どこにあるのか探してほしいと依頼します。
その風景を絵に描いてもらうと、河野に遠い記憶が蘇ってくるのです。
果たしてその風景と河野の関係は?・・・
など、現実と非現実が交錯した世界を見事に描いた七編の短編集です。

先日感想を載せた東野氏の作品と同じくらい、これも秀逸な作品でした。

========

最近、たまに行く「L」という喫茶店のママに、夕御飯のメニューに困ってる、と言うと、
納豆キムチはどうか、とすすめられました。
大根おろし入り納豆を購入し、細かく刻んだキムチと混ぜて食べると
御飯に合って美味しい、と言うのです。
その話を聞くまで「大根おろし入り納豆」の存在を知りませんでした
しかしその日は冷蔵庫に普通の納豆があったので、それを消費することにして
大根おろしは省略して、キムチと納豆を混ぜただけのものを食べてみましたが、
それでも非常に美味しかったです
食欲のない時にも食がすすみそうです。

次回は大根おろし入りを食べてみようと思います。



6月28日(月)21:09 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「犯人のいない殺人の夜」

   東野圭吾(光文社文庫)

親友の突然の転落死に疑問をいだき、その原因を調べていた
高校生の中岡が目の当たりにした、誰にも言えない真実とは。

塾の帰りにいつものぞいていた、新体操の練習に励む女子高生が
ある日を境にぱったりと姿をみせなくなった。
思い悩む中学生の孝志に、彼の家庭教師である黒田が女子高生の行方を
探すことを引き受けるのだが、そこで知った事実を孝志に
告げるべきかどうか。

情緒不安定な息子が女性の家庭教師を殺してしまった。
そこでもうひとりの家庭教師である拓也が隠蔽工作を図るのだが
計画は完璧だったはずなのに、思いがけないところで犯行がばれて、
しかももうひとつの意外な真実を引き出すことに・・・

などなど、犯人がなかなかみえてこないのに、確実に犯人がいて、
そしてそこには想像を絶する真実がかくされている、というお話を集めた
七編の短編集です。

やっぱりすごいです。東野氏。
犯人に予想はついても、真実は予想外の展開になっています。
ミステリー好きにはたまらない一冊です。

========

梅雨時特有の、うっとうしい日々が続いています。
しかしそんな中、紫陽花はすくすくと成長しています。
雨にうたれれば、うたれるほど、綺麗に色づいていきます。
強いのね。

見習わなければ。



6月27日(日)14:41 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「ペンギンと暮らす」

   小川糸(幻冬社文庫)

「食堂かたつむり」の作者、小川糸さんのエッセイです。
「ペンギン」とは小川さんの旦那さんのことで、風邪を引いた時に
旦那さんに面倒みてもらったこと、あるいは旦那さんが入院した時に
片道一時間半もかけて病院に通ったこと、映画や音楽の話、
趣味で習っているヨガや茶道のことなど、充実した日々が
綴られています。

食堂の小説を書いた人だけあって、料理の話がたくさんでてくるのですが
それがどれも興味深い話ばかりで非常に面白かったです。
小川さんのブログもあるそうなので、今度のぞいてみようと思いました。

========

ここ数日、体調が悪くて寝てばかりいました。
やっと復活できそうかな、といった感じです。

梅雨時はきついです



6月24日(木)21:43 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「天国はまだ遠く」

   瀬尾まいこ(新潮文庫)

仕事にも人間関係にも行き詰まり、何もかもいやになった23歳の千鶴は
自ら命を絶とうと特急電車に乗り、山奥の民宿にたどり着きます。
2年ぶりにお客さんを迎えるというその宿で睡眠薬を飲むのですが
死に切れずに、そのまましばらく民宿に世話になります。
ひとりで民宿に暮らす田村さんのさりげない優しさに触れ、
村の人達と打ち解けていくうちに、千鶴は生きることの意味を
みいだしていくのです。

短い小説ですが、いいお話でした。
民宿の田村さんが、すごくいい!
若い男性、という設定なので、同じく若い女性である千鶴に
もっと興味を持つかと思いきや、大してそんなそぶりもみせず、
それでいてさりげなく気の利いたことをしてくれて、なおかつ
恩着せがましくないのです。
しかし田村さんにも色々と事情があり、その土地を離れたくても
離れることができなくて、千鶴もまた、その土地に魅力を感じながらも
ここは自分のいるべき場所ではない、と気付き、離れる決心をするところが
切ないのです。
けれどラストは、やはりやってくれましたね、田村さん。
「あんたみたいな人は長生きすると思う。」と千鶴に言うのですが、
この言葉は千鶴がその後、強く生きていくことへの暗示に
なっているような気がします。
いい人だなぁ。田村さん。
町内にひとりはいて欲しいなぁ。田村さん。

読後、元気がもらえる物語でした。



5月31日(月)23:15 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「Presents」

   角田光代(双葉文庫)

生まれて初めてプレゼントされることになる自分の「名前」、
小学校に上がる時に買ってもらった「ランドセル」、
初めてひとり暮らしをすることになり、お母さんが買ってくれた「鍋セット」、
付き合ってる男の人からもらった「合鍵」、
お嫁に行く時に友人達から贈られた手製の「ウエディングヴェール」、
などなど、色んなプレゼントにまつわる短編集です。

ランドセルを買ってもらった時、嬉しくて色んなものをつめこんだことや、
大人になってから改めてランドセルを見ると、容量の少なさに
びっくりしたこと、
中学生の頃の、同級生の男の子の不機嫌な感じ、
初めてひとり暮らしをすることになった時の嬉しいような寂しいような
複雑な心境とか、自分のことも思い出したりして、読みながら、
そうなのよ、そうなのよ、とうなづきっぱなしな小説でした。
懐かしい気持ちになったり、人と人との繋がりを大切にしようと思える
物語でした。

========

今日は寒いです。
あたたかいココアが飲みたいです。
そして、あつあつのラーメンが食べたいです。



5月26日(水)14:47 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


(20/50ページ)
最初 16 17 18 19 >20< 21 22 23 24 25 最後