「ラジオ・エチオピア」 |
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| 蓮見圭一(文春文庫)
作家である主人公が、友人に知的で美しい女性を紹介されて 一気に恋に堕ちます。 妻子がありながら、そして女性には子どもがいながら、ふたりは なりふりかまわず逢瀬を重ねます。 しかし彼女が嘘をついていることに気付き、友人にも 「あの女とは手を切った方がいい。」と忠告され、 挙句の果て、妻が彼女達のメールを盗み読んでいたこともわかり、 情熱的な恋も終わりを告げるのです。
もう、最初にこの女性が現れて、しゃべり始めた時点で「こういうタイプ、 苦手だわ。」と思いました。 頭が良くて色んな知識にあふれているのでしょうが、それを ことあるごとにひけらかさないと気がすまないかのように、 とにかく、おしゃべりなのです。 「今夜は比類なきモルト・アレグロの第一楽章をリフレインで聴きましょう。 これに関してはシューリヒトが最高なんだけど、チェリビダッケで 我慢してね。もう少しテンポが速いのがよければ、フランス・ブリュッヘンと 18世紀オーケストラのものもあるわ。」などなど、 すべてに関してこの調子なので、知的美人が好きな男の人には 最初は楽しいでしょうが、やがて会う度に本やCDを持ってきて、 次に会うまでに感想を述べなければならない、というのは すぐに気が重くなるはずですよね。 けれど、終盤はもっとドロドロするのかな、と思いましたが それほどドロドロにならず、わりとあっさり終わったのでホッとしました。
それにしても主人公の奥さん、夫のパソコンにメールがくると、 自分のパソコンに転送されるように設定するなど、なかなかやるわね、 女って恐いわね。と自分も女なのに、感心してしまいました。
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5月3日(月)23:02 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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「風味絶佳」 |
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| 山田詠美(文春文庫)
15歳も年上の女性に世話になりながら、年下の女の子とも付き合う とび職の若者。 結婚生活に不満を感じながら暮らしていくうちに、ごみ収集車で働く男性に惹かれ 家を出た主婦。 アメリカかぶれの祖母に躾を受け、すっかりレディファーストになり、 女の子から、うとんじがられたり勘違いされたりする、 ガソリンスタンドで働く青年。 など、肉体労働する人々に焦点をあてて描かれた短編集です。
山田さんの小説はどれも、どこかお洒落な感じがします。 肉体労働によって汗まみれ、泥まみれになっても、それが決して 不潔にならずに、むしろ潔さや爽やかさが伝わってきて、 それぞれの職に真面目に勤しむ彼らに敬意を表したくなる物語でした。 そしてタイトル作の「風味絶佳」にでてくる、おばあちゃんが すごくかっこ良いのです。 真っ赤な外車で、孫が働くガソリンスタンドに給油しにくる時は いつも若い男性が隣にいたり、 「おばあちゃん」と呼ばせず「グランマ」と呼ばせたり、 甘い物は糖尿病になるから控えた方がいい、と注意しようものなら 「脳みその栄養分は糖でしか取れないんだよ、甘いもので生きてる 可愛らしい代物が脳みそなんだよ!」と言い返してきたり。 こんな素敵なおばあちゃん、いえ、グランマがいるなら会ってみたいと 思いました。
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昨日は暴風雨が激しい一日でした。 そんな日に外出した私はいったい。。。
それはともかく、もうあんな暴風雨はいりません。 今日は昨日よりはずっとましな天気でしたが、小雨は降ったし 少し寒かったし、あまり春らしい陽気ではありませんでした。
本格的な春が恋しい今日この頃です。
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4月13日(火)22:59 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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「群青の夜の羽毛布」 |
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| 山本文緒(文春文庫)
大学生の鉄男はアルバイト先で出会った「さとる」という女性に惹かれ、 やがて付き合うようになります。 丘の上の家で、母親と妹とひっそり暮らす「さとる」は 他の女性にはない魅力を持っているのですが、その反面、謎も多く、 積極的にせまってきたかと思いきや、急にそっけない態度を とったりします。 彼女との付き合いが深まっていくにつれ、疑問は段々ととけて いくのですが、家族間の確執や憎悪に鉄男も巻き込まれ、 とんでもない事件へと発展していくのです。
読後は「やってくれましたね!山本さん!」と思ってしまいました。 こういう、親子間や夫婦間の愛憎や確執をテーマにしたものを リアルに描くのが巧い作家だな、といつも思うのです。 今回も読後はゾゾッとして、しばらく何も手につかなくなるくらい、 リアルな作品でした。 それにしても、自分の娘に「さとる」という男性の名前をつけた理由が 「男の子が欲しかったから。」とは、母親のエゴがもろわかりですね。
山本さんの作品は後味が良くないものが多いのに、それでもまた 読みたくなるのは、主人公に共感できる部分も多いからだと思います。 けれど、今回も恐い作品でした
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4月6日(火)22:56 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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「ちょんまげぷりん」 |
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| 荒木源(小学館文庫)
シングルマザーの遊佐ひろ子は息子の友也を保育園に迎えに行った帰りに ちょんまげを結い、和服を着た不審な若い男に出会います。 話の流れで自分の家に連れて帰るのですが、よくよく聞いてみると 木島安兵衛と名乗るその男は江戸時代からタイムスリップして 現代に来てしまったようで、他に頼るあてもなく、ひろ子は 自分の家で安兵衛の面倒をみることにします。 しかし律儀な安兵衛は、ひろ子に借りを作るのは申し訳ないと、 家事全般を引き受けることにします。 今まで家事などしたことのない安兵衛でしたが、ひろ子に教わりながら 料理などを手がけるうちに才能を発揮し、仕事が忙しいひろ子にとって 理想的な主夫のような存在となります。 そしてお菓子作りにも興味を持ちだし、ついにはテレビ番組の お菓子作りコンテストに出場することになり、パティシエの道を 目指すことになるのです。
マンガのようなユーモアあふれるタイトルに惹かれて読んでみましたが 日本の子育て制度やシングルマザーについての風当たりの強さなど 色々と考えさせられました。 そして結末はやや想像できるものの、やはりホッとできるもので、 理想的な展開でした。 夏頃、映画化もされるようで、楽しみです。
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あんなキム・ヨナは観たくなかった。。。 オリンピックの時みたいに、不敵な笑みをうかべて金メダルを かっさらっていく人であって欲しかった。 けれど、オリンピックで精神力を使い果たしたのかな・・・ それにしても浅田真央さん、素敵すぎます! スパイラルシークエンスの時のキリッとした表情、惚れてまうやろ! 男子フィギュアの高橋大輔さんも! 沢山、元気をもらいました。 頑張ってる人は美しい。。。
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3月28日(日)17:40 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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「ゆれる」 |
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| 西川美和(ポプラ文庫)
故郷で家業を継いだ兄。そしてそれとは正反対に都会で自由奔放に暮らす弟。 その間で揺れ動く、幼なじみの智恵子。 三人の感情を中心に、親子、兄弟間の確執や、愛と憎悪が 次第に浮き彫りにされていく物語です。
多くの小説を読んでいると時々、この本と出会えて良かった、と 思うことがありますが、この「ゆれる」もそうでした。 決して明るい内容ではないし、後味が良いわけではないけれど、 それぞれの心理描写がリアルで、力作だと思いました。 この作家自ら監督をつとめた映画も評判が良いようなので、 いつか観てみたい、と思いました。
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ずっと体調悪い状態が続いています。 こんな時は梅干しがやけに美味しいです。 てか、食べるもの全部が美味しく感じるので、自分はまだ大丈夫だ、と 思うことにします。
明日は久しぶりに晴れるようなので、散歩がしたいです。
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3月18日(木)23:57 | トラックバック(0) | コメント(2) | 趣味 | 管理
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