ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2010年2月11日を表示

「あとのない仮名」

   山本周五郎(新潮文庫)

江戸で腕利きの植木職人だった男が、妻とのちょっとした心のすれ違いにより、
家も職も捨てて放蕩ものになってしまう、その複雑な内面を描いた
タイトル作の他、男の友情を描いた話、他の男を慕う女を無理矢理
妻にむかえ、罪の意識にさいなまれながらも地道に誠実に生きようとする
男の話、など、8編からなる時代物の短編集です。

山本氏の作品を読んだのは初めてですが、ところどころユーモラスな
描写があり、それがどんなに時代が変わろうとも通じるような
センスあふれるもので、かといって軽薄なものではなく、
巧みな心理描写などもあり、奥行きのある作品ばかりで、
人気が高いのも、うなづけました。
あと、ほんの少しの思いやりがあれば、ほんの少しの言葉があれば、
きっと、彼らの関係が壊れることもなかっただろうに、などと
考えさせられることも多く、何度も再読したくなる作品集でした。

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先日降った大雪が、半分くらい溶けてやれやれ、と思ってたのに、
今日、またも雪が降り続いてます。
自転車使えないのが辛いです。

しかし、こんな天気でも自転車に乗る人が、たまにいるのですよね。

どうか、お怪我のないように、気をつけてください!



2月11日(木)16:49 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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