「水に眠る」北村薫 |
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| (文春文庫)
北村さんの小説を読むのは初めてです。 十篇の小説が入った短編集なんですが、最初の二篇あたりまでは、 話が現実離れしていて、作者がいったい何を言いたいのかが さっぱりわからなくて、これは受け入れられないかも?と思ったのですが、 我慢して読む進めていくうちに、段々とはまっていきました。
この作品の中で、作者は多くを語りません。 話の概要だけ説明して、細かいところや結末は読者の想像にまかせる、 という内容でした。 この、読者の想像にまかせる、あるいは行間を読ませるタイプの小説が好きな私は、 北村薫という人に、俄然興味を持ったのでした。
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長男はN潟生まれのN潟育ちなのに、N潟の気質が自分に合わない、 だから高校を卒業したら県外に出たい、と言います。
そうゆうところは、私に似たのだな、と思います。
自分もN潟に長く住んでいるけれど、何年住んでも、どうもなじめない 感じがあります。 心に薄い膜を張ったまま生きている気がして。 東京や関西に住んでいた頃の方が、自分が自分らしくいられた気がします。
それでも自分はもうトシをとっていくばかりだからいいけど、 子どもには将来があるし、子どもがこの場所を出たい、というのなら 出してあげたいのです。
ここを出て、好きなように暮らしたらいい。
そう言ってあげたいけれど、肝心の「先立つもの」がないのが情けないです。
「そんなに出たけりゃ、自分で稼いで、自分で行きなさい!」 それしか言えないのです。
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風邪を引いてしまいました。 おとなしく寝ます。
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2月20日(水)14:42 | トラックバック(0) | コメント(4) | 趣味 | 管理
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