ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2008年2月20日を表示

「水に眠る」北村薫

   (文春文庫)

北村さんの小説を読むのは初めてです。
十篇の小説が入った短編集なんですが、最初の二篇あたりまでは、
話が現実離れしていて、作者がいったい何を言いたいのかが
さっぱりわからなくて、これは受け入れられないかも?と思ったのですが、
我慢して読む進めていくうちに、段々とはまっていきました。

この作品の中で、作者は多くを語りません。
話の概要だけ説明して、細かいところや結末は読者の想像にまかせる、
という内容でした。
この、読者の想像にまかせる、あるいは行間を読ませるタイプの小説が好きな私は、
北村薫という人に、俄然興味を持ったのでした。

=====

長男はN潟生まれのN潟育ちなのに、N潟の気質が自分に合わない、
だから高校を卒業したら県外に出たい、と言います。

そうゆうところは、私に似たのだな、と思います。

自分もN潟に長く住んでいるけれど、何年住んでも、どうもなじめない
感じがあります。
心に薄い膜を張ったまま生きている気がして。
東京や関西に住んでいた頃の方が、自分が自分らしくいられた気がします。

それでも自分はもうトシをとっていくばかりだからいいけど、
子どもには将来があるし、子どもがこの場所を出たい、というのなら
出してあげたいのです。

ここを出て、好きなように暮らしたらいい。

そう言ってあげたいけれど、肝心の「先立つもの」がないのが情けないです。

「そんなに出たけりゃ、自分で稼いで、自分で行きなさい!」
それしか言えないのです。

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風邪を引いてしまいました。
おとなしく寝ます。



2月20日(水)14:42 | トラックバック(0) | コメント(4) | 趣味 | 管理


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