ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2008年4月18日を表示

本の感想

読んだ本がたまったので、一気に感想を。

・「煩悩カフェ」酒井順子(幻冬舎文庫)

「負け犬の遠吠え」でおなじみの酒井さんのエッセイです。
女の人なら誰にでも覚えのある、数々の煩悩を赤裸々に語る本です。
「ミニスカートの中が見たい煩悩」
「映画館で、前の人を殴りたい煩悩」
「他人を太らせたい煩悩」
「カップラーメンを食べたい煩悩」
「女であることを利用したい煩悩」
「夫の○を願う煩悩」などなど。
目次を読んだだけで共感できます。
中身を読むと「よくぞ言ってくれました!」と更に共感できます。
「ミニスカート~」の項目では、「駅の階段は見えそうで見えない。
もしかしたら見えない角度を研究して階段が作られたのでは?」など、
かなり笑えます。
私がもっとも共感を覚えたのが「夫の○を願う煩悩」です。
○の部分は過激なのでご想像におまかせします(笑)
ただ、酒井さんの名誉のために言っておきますが、どの項目でも
毒のある言葉で攻撃的に書かれているわけではなく、反感をもたれないように、
かなり言葉を選んだ、穏やかな内容になっています。
誰でも心の中でこっそり意地悪なことを願ったりすることはあるものです。
それを表に出さずに、こっそり想像して楽しむくらいのことは
あっても良いのでは?と、いった内容になってますので、安心して読めます。

・「東京夜話」いしいしんじ(新潮文庫)

いしいさんのデビュー短編集です。
宇宙人がでてきたり、人間が生ゴミになったり、シャケとマグロが恋したり、
かなりシュールな内容になっています。
シュールなものが苦手な人にはオススメできませんが、
あまりにワケがわからなすぎて、そのわからなすぎるところが
村上春樹を髣髴とさせるので、私には楽しく読めました。
特に「クラブ化する日本」は、銀座について書かれたものを
いしいさんが翻訳した、という設定になっていますが、
銀座が間違った解釈で語られてるところがとても面白かったです。

・「空中ブランコ」奥田英朗(文春文庫)

トンデモ精神科医、伊良部シリーズの第二弾で、直木賞受賞作でもあります。
前作がとても面白かったので、この作品の文庫化を楽しみにしてました。
(基本的に本は安い、持ち運び便利、という理由で文庫を買うようにしています)
跳べなくなったサーカスのブランコ乗り、尖端恐怖症のヤーサン、
義父のカツラをとりたい衝動にかられるお医者さん、など、
今回もあらゆる患者さんが伊良部医師を訪ねてきますが、
最初は医者とは思えない行動ばかりとる伊良部に反感を持ちながらも
心を開かずにいられないのは、伊良部がいつの間にか患者さんと行動を共にし、
自然に痛みを分かち合うことになるのが良いのだと思います。
今回も非常に楽しく読めたので、次回作の文庫化が待ち遠しいです。



4月18日(金)17:07 | トラックバック(0) | コメント(2) | 趣味 | 管理


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