ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2007年8月21日を表示

BAD KIDS

 村山由佳(集英社文庫)

高校生でラグビー部の隆之は、幼い頃からの友人で
部活のチームメートでもある宏樹に恋心を抱いていました。

そんな隆之を絶好の被写体と、追い続ける写真部の都は
20才以上も年上のカメラマンとの関係に苦悩していて、
隆之の切ない心情にも気付いて彼に近づきます。

いたわり合うようになったふたりの関係は、
ハタから見れば、付き合っているようにしか見えないのですが、
お互い、道ならぬ恋への思いをぶつけ合える、
唯一の存在であったのです。

やがて卒業の時期が近づき、それぞれの思いに決着をつける時を
向かえるのですが。。。


時々、エッセイと小説のイメージがまるで違う作家さんがいますが、
村山さんも、そのひとりではないかと思われます。

以前読んだエッセイが、とても爽やかで好印象を持って
しまった私は、性描写がリアルだったりした小説を、
今まで、なかなか受け入れることができませんでした。

イメージを自分の中で作りすぎてしまったのでしょう。

けれども文体が綺麗で読みやすい村山さんの小説は、
いつかは受け入れられるような気がしていました。

こんなことを言うと変人に思われるので、あまり公には
していませんが、
実は同性愛をテーマにした話に、昔からとても興味を持っています。

小説でも、映画でも。

そのせいか、この小説はとてもすんなりと、受け入れることができました。

受け入れられた理由はそれかい!とどこかから
ツッコまれそうですが(笑)

一見、自由奔放で、好き勝手に生きているように見える都が、
とても繊細で友達思いなところにも好印象を持ちました。

都がでてくる話が、もうひとつあるそうなので、それも読んでみたいと思います。



8月21日(火)10:46 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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