follow me その5 |
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| 2016年の夏のある日、Sさんに言われました。 今年の10月いっぱいで店を閉めることになったと。
Sさんの旦那さんの仕事の都合で市外に引っ越すことになったそうです。
それからしばらくして、1階の書店も11月5日で閉店することが決まりました。 Sさんと折半してた家賃を全額払えそうにないという理由で。 書店員のKさんはこの機会に、故郷であるお隣の県に戻ることになりました。
私は「無常」という言葉を思い出しました。 いつもの何気ない日常は、ず~っと同じように続くものと錯覚しがちですが、 それは奇跡のような尊い日々で、ず~っと続くわけではなかったのです。
SNSでSさんのお店と書店の噂が広まり、常連の人達は毎日のようにお店に寄り、 一度もお店を訪れたことのない人達は、この機会にと、県外からも押し寄せるようになりました。
そうしてSさんが一人では大変になった頃、Mさんがお店を手伝うようになりました。 「連日大盛況で、にぎわってますね。」と言った私に、ふとSさんはこぼしました。 「でも…それで、いつも来てくださってたお客さんの居場所がなくなるのが 申し訳なくて…」と。 Sさんが切なそうに言うのを聞いて、つくづく優しい人なのだと思いました。
そして10月31日にSさんのお店が、11月5日に1階の書店が、その場所から巣立ちました。 (「巣立つ」という言葉はSさんが使ってたので、引用させていただきました)
両日ともT君に会いましたが、11月5日に「もうこれで、お会いすることはあまりないでしょうね。」 と言う私に、「そうでもないでしょう。SNSもありますし、なにかしらで繋がってると思います。」
T君も優しい人です。その言葉でいく分、救われたのでした。 そのあと、もっともっと救われることになるとは、その時の私は気付きませんでしたが。
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11月15日(火)01:35 | トラックバック(0) | コメント(0) | 社会 | 管理
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