ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



「ボヴァリー夫人」(上)(下)

   フローベール(岩波文庫)

少女時代を修道院で過ごした知性と教養溢れるエンマは、
父親が足を怪我した際、往診に来てくれたボヴァリー医師に見初められ、
彼の元に嫁ぎます。
しかし結婚生活に多大なる夢と希望を持っていたエンマとって、
おとなしい性格の夫との田舎暮らしは退屈なものでした。
絶望的な日々を送るうちに、エンマは書記を勤めるレオンという若い男に
出会います。
知性と教養を持つレオンとエンマは話が合い、お互い惹かれ合うのですが
その頃、女児を出産したエンマは育児に専念するため、
レオンを避けるようになります。
エンマに嫌われたと思ったレオンは「法律の勉強をしたい。」と
エンマの元を去ります。
再び絶望的な日々を過ごすことになったエンマの近所にロドルフという男が
引っ越してきて、自分が目をつけた女は必ずものにする主義の彼は
一目でエンマを気に入り、人妻であることもかまわずに積極的にエンマを
口説きます。
レオンがいなくなってから寂しい日々を過ごすエンマにとって
ロドルフの情熱は抗い難いものがあり、一気に恋に堕ちていきます。
密会を重ねるうちにエンマの狂気にも似た情熱をもてあますようになった
ロドルフは、危険を感じて、ある日突然エンマの前から姿を消します。
駆け落ちの準備までしていたエンマはロドルフがいなくなったことに
打ちひしがられ、次第に精神を病んでいきます。
日増しに憔悴していくエンマを心配した薬剤師のオメー氏は
繁華街に歌劇を観に行くことをすすめます。
元々音楽が好きなエンマはすすめられるまま、ボヴァリー氏と
歌劇を観に行くのですが、そこで思いがけずレオンに再会します。
ふたりの感情は偶然の再会に一気に高まり、以前、結ばれなかった過去を
取り戻すかのように逢瀬を重ねます。
レオンとの新しい生活を夢見る一方、身の回りを飾り立て、
いつまでも美しくいたいエンマは借金を重ね、返済のめども立たずに
ついには夫のボヴァリー氏に知れることになります。
追いつめられ、レオンにも冷たい態度をとられるようになったエンマは
ある決心をして薬剤師の家の倉庫にしのびこみます。

結末はあえて書きませんが、まるで昼メロのようなドロドロした物語でした。
そういえば昼メロは海外文学が元になっているものが多い、と
聞いたことがあります。
以前「嵐が丘」を元にした「愛の嵐」というドラマもありましたし。
もしもボヴァリー夫人をこちらでドラマ化するとしたら、
主人公の名前は「尾張エマ」だったりして。。。とアホなことを
考えたりしました。

それにしても自分のカミさんが不倫してて、近所でも評判になったりしてるのに、
まったく気がつかない亭主っているのかなぁと、この物語を読んで
思ってしまいました。
それだけカミさんを信用しているのか、それとも関心がないだけなのか。
後者だとしたら、そりゃあ、カミさんも退屈するわ、と色々考えさせられました。


海外もの、特に古典ものは疲れます。。。
当分いいや、と思いました。



11月11日(水)00:01 | トラックバック(0) | コメント(2) | 趣味 | 管理

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コメント

 1: そんなことはしませんけど

もし、私がエンマだったら、夫Bは、気付かないと思いますよ~。
近所の噂って、近所づきあいのない夫には、届かないもの。

ひとむかし前の小説って、今読むとよくあるパターンなんだけど、
その一番最初の走りっていうことで、価値があるんでしょうね。
科学だったら、エジソンが蓄音機とか、ダビンチやライト兄弟の飛行機とか、
画期的な発明として、一般人にも、未来にわたって賞賛されるけれど、
文学っていうのは、そこらへんがぼやけてしまうから、
その功績は、学者でないとわからなくってしまい、
気の毒な面があると思いました。
画家も、同じく、たとえば、遠近法を考えた人とかっていたと思ったけど、
パっと浮かばないし・・・
やっぱり、有名にしたのはダビンチなのかな?
芸術って、抽象的なだけに、損だよなあ・・・・と、思ってしまいました。
話、脱線しちゃったね、<(_ _)>。


 by すんちゃ | 11月13日(金)21:30

 2: もしそうなったら

>すーネエさん、
たとえ近所付き合いがなくても、夫Bさんなら、ちゃんと奥さんの
変化に気付くと思いますよ。
夫Bさんは、そういう人だと思います。

「ボヴァリー夫人」が出版された当初は、かなり悪評だったようです。
おそらく不倫ものを扱ったものが当初はあまりなかったのだと思います。
しばらく経ってから、この作品は評価が上がったそうです。
ちなみに、作者が自ら「ボヴァリー夫人は私自身。」と言ってたそうで、
実際にこんなドロドロした出来事があったなんて恐いな、と思いました。

芸術に関する第一人者は確かにあまり目立たないかもしれませんね。
抽象的なのが原因でしょうか。
今では不倫ものは珍しくないし、かえって道ならぬ恋愛ものの方が
書きやすいかもしれませんね。


 by ずず@管理人 | 11月14日(土)01:04


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