「白夜」 |
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| ドストエフスキー(角川文庫)
ペテルブルグに住むようになって以来、何年も恋人はおろか、ひとりの友人もできず 孤独に暮らす青年の唯一の楽しみは「様々なことを空想しながら散歩すること」で、 ある日、いつものように空想しながら白夜の街を歩いていると ひとりの美しい女性をみかけます。 近づこうとすると、自分の他にも彼女に近づこうとする怪しげな男が現れます。 彼女が襲われそうになるところを助け、それをきっかけに、 いつも同じ時間、同じ場所で会えるように約束をとりつけます。 彼女と毎日のように会い、お互いの身の上話を打ち明けていくうちに、 彼女がその場所で、ある男の人が迎えにきてくれるのをじっと待ち続けていることを 知るのです。
ネットで調べていたら、この物語を「電車男のアンハッピーエンド版」と 表現していた人がいました。 確かにそんな感じがしなくもないのですが、その一言で片づけて欲しくないくらい、 短いストーリーながらも奥の深い作品でした。
最近の若い女の人からみれば、この物語にでてくる青年は 「キモイ」「痛い」人かもしれませんが、人付き合いが苦手で なかなか友達ができなくて、色々と空想するのが趣味、というところに 共感をもってしまって、たとえ美女とは結ばれなくても、 その後の彼の人生が平和で穏やかなものであって欲しい、と 150年以上も昔の、しかも物語の中の青年にエールを送りたくなって しまったのでした。
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8月26日(水)17:27 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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