「レインツリーの国」 |
|
| 有川浩(新潮文庫)
ネット上で知り合い、ある本の感想を語り合うためにメール交換を始めた伸行とひとみ。 メール交換するたびに意見が合うところ、あるいは自分にはない感性に 新しい発見をしたり、どんどん盛り上がっていきます。 話がはずめば当然、会いたくなります。 伸行は「会って直接話がしたい。」と率直に言うのですが、 ひとみは、なかなかいい返事をくれません。 それをどうにか説得して、会うことになったのはいいのですが、 実際会ってみると、なぜか噛み合わない。 メールでは、あんなに話がはずんだのに、どうしてこんなに噛み合わないのか。 次第に苛立つ伸行に、ひとみは自分の重大な秘密を打ち明けます。 ひとみには、ネット上でしか本当の自分をさらけ出すことのできない、 理由があったのです。
この若いふたりに好感持てたのは、秘密を打ち明けられてからも 簡単に別れたりせず、ちゃんと向き合って理解し合おうとするところです。 特に伸行の方は「お互いわかりあえるまでケンカしてみようよ。」と 提案するところなど、「若いのに、なかなかやるね!」と言いたくなります。
しかし、彼女とのゴタゴタを職場の同僚の女の子に相談したことを わざわざ彼女に報告するところなどは、若さゆえの鈍さでしょうか。
本当は、ひとみの「秘密」に関して語りたいのですが、ネタバレになるので やめておきます。 とにかく、この物語を読むことによって今まで知らなかったことを 知ることができて良かったです。 できるだけ多くの人に読んでもらいたい、そしてできるだけ多くのひとに そのことを知ってもらいたい、と思った小説でした。
ちなみに私は、作者が名前からして男性だと思ってました。 名前は「ひろ」と読む女性だとわかったのは、つい最近でした。
| |
|
7月10日(金)17:59 | トラックバック(0) | コメント(4) | 趣味 | 管理
|
2: ファンです!
|
|
| あ、有川浩だなんて! 大ファンです! 実は僕も、最初の1冊を読むまで「ありかわひろし」だとばかり思ってました。 その「最初の1冊」は、いまやすっかり有名になった「図書館戦争」です。 あのシリーズ大好きで、別冊までの6巻を読破しました。 他にも色々読みましたが、やっぱ「図書館戦争」シリーズ最高です!
今週前半はずっと長靴生活で、母が僕の足元をじっと見て「ゴキブリみたい だわねぇ」と一言 た、確かに、この黒光り度合いがそんな感じかも…しかし、長靴履いた ゴキブリって、なんだか弱そう
| |
|
by pon | 7月11日(土)01:15
|
3: ウケました!
|
|
| >ponさん、 有川さんの大ファンなんですね! やはりponさんも「ひろし」だと思ってたのですね。きっと大抵の人はそうでしょうね。 私は有川さんの本を読んだのは今回が初めてです。 友達にすすめられたからなのですが、その人がすすめてくれた 「三匹のおっさん」という本も、評判の良い「図書館戦争」も文庫化されてなくて、 貧乏な私はとりあえず文庫化された作品から読んでみることにしました。 ponさんは「図書館戦争」がお気に入りのようですね。 読みやすい文体ですっかり気に入ってしまったので、「図書館戦争」も 文庫化されたら読みたいと思います。
お母様のお言葉、ウケてしまいました! けれどponさんにしてみればショックですね。 東京なら、もうすぐ長靴生活ともさよならできるのではないでしょうか? こちらは今日、明日あたりは梅雨の中休みのようですが、それ以降は また長靴生活が復活しそうです 私の長靴も黒光りしてますよ。
| |
|
by ずず@管理人 | 7月11日(土)16:32
|
4: こんにちは
|
|
| 先日図書館でこの本を見つけ「あ、ずずちゃんのブログで紹介してたやつだ~」と借りてきて 今読んでいる最中です 彼女の秘密・・そういうことだったんですね。 好感の持てるやりとりに微笑ましくなったりして、どういう成り行きになるのか楽しみです。紹介してくれてありがとう ところで、作者さん女性だったのね~びっくり
| |
|
by ぴよこ | 7月20日(月)18:52
|
5: ありがたい!
|
|
| >ぴよちゃん、 ここで紹介した本を読んでもらえる、というのは大変嬉しいことです! こちらこそ、ありがとうです! うんうん、彼女の秘密を知ってからのやりとりが、良いのよね。 簡単に諦めたりせずに、ちゃんと理解し合えるまで、とことん 話し合おうとするところなんか、うらやましいとすら思っちゃいます。 そしてそこに伸行の同僚の女の子が絡んでくるところも面白いし。 ぴよちゃんが、最後まで堪能してくれるといいな、と思います。
最近は「桜庭一樹」という女性作家がいたり、混乱しますね
| |
|
by ずず@管理人 | 7月20日(月)22:09
|