ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2013年10月27日を表示

「真昼なのに昏い部屋」

   江國香織(講談社文庫)

完璧に主婦業をこなし、夫やその家族にも忠実な美弥子は、
友人を通じて知り合ったジョーンズさんに誘われて、散歩に出掛けるようになります。
大学の講師を務めていて、学生にも慕われ、友達づきあいも大切にするジョーンズさんは
話題も豊富で、散歩の度に美弥子は見慣れたはずの街に新しい発見をします。
ジョーンズさんと会うことに、なんのやましさも感じない美弥子は
いつも夫に外出の報告をしていたのですが、夫は美弥子の話には上の空で
勝手に、複数で散歩に出掛けていると勘違いしていたのでした。
しかし穏やかであったはずの日々に、美弥子の友人が、夫にジョーンズさんとのことを
忠告したことから、美弥子と夫、美弥子とジョーンズさんとの関係が
変わっていくのです。


以前は、好きな作家を聞かれたら、すぐに「江國香織さん!」と答えるくらい
大好きだったのですが、段々と小説の中の女性に共感できなくなり、
何年も江國さんから離れていました。

久しぶりに江國さんの小説を書店でみかけて、手にとってみて、
この、美弥子という人なら共感とまではいかなくても、
好感を持てそうで
読んでみたのですが、やはり潔い行動力に好感を持ちました。

風景描写、心理描写、言葉の選び方など、江國さんは日本語を
とても綺麗に使う人なのだと、再確認しました。



10月27日(日)00:19 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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