ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



避暑地の猫

 宮本輝(講談社文庫)

軽井沢の別荘に一年に一度、避暑にやってくる別荘主の家族と、
その別荘の敷地内に住む番人の一家の、愛と憎悪の物語です。

宮本さんの作品は数冊読んでいますが、これが一番インパクトが強くて
一番好きな小説になりました。

軽井沢の森閑とした風景と、それに相対するどろどろとした
人間模様を巧くからめて、
読み手を幻想的な世界に導くのです。

思わせぶりな前ふり、
伏線の張り方、
人の心の強さや脆さ、
霧にけむる軽井沢の情景と、それに惑わされる人々の
心理描写。

もう、お見事!と言うしかないくらいの力作でした。

決して後味の良い終わり方ではなく、
あの人はどうしてあんな行動にでたのか?などの
数々の疑問を残したりするのですが、

幻想的な宮本ワールドに浸りたくなって、
何度も読み返してしまうと思います。



8月25日(土)08:42 | トラックバック(0) | コメント(2) | 趣味 | 管理

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コメント

 1: 私も読みましたよ~。

避暑地の猫。
旦那に面白いから読めとすすめられて。
病院に行くとき、待ち時間が長いので持って行ったら
今、名前を呼ばないで欲しい~と思うくらい、入り込んじゃった(笑)。
結局途中で呼ばれちゃったけどね~。


 by くろじゅんちゃ | 8月29日(水)13:23

 2: ありがと~!

くろじゅんちゃさん、
コメント、ありがとさんです!
やはりハマッてしまいましたか(笑)
これみよがしな前ふりが何度もでてくるので、続きが気になって
仕方なくなるのですよね。
旦那さんにすすめられた、ということは、旦那さんもお気に入りの小説なんですね。
主人公と一緒に軽井沢の森の中に迷い込んでしまった、
そんな気分になる不思議な小説でした。


 by ずず@管理人 | 8月29日(水)21:58


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