ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2010年3月を表示

「雨恋」

   松尾由美(新潮文庫)

恋人に振られ、アパートの隣人ともトラブルを起こした沼野渉は
引っ越しを考えていました。
そこに降ってわいたような良い話が持ち上がります。
叔母さんが海外勤務になり、留守の間自分の住んでいたマンションに、
管理がてら住んで欲しい、と言うのです。
家賃はアパートよりも安い金額を提示されたけど、それには
飼いネコの面倒をみるという条件付きなのでした。
ネコを飼った経験はないけれど、嫌いではないし、どうにかなるだろう、と
引き受け、住んでみると、生き物と一緒に暮らす生活も悪くない。
第一、きちんとした躾を受けたネコなのであまり手がかからない。
平穏無事な日々を送るはずだったのですが、ある日幽霊の存在に気付きます。
その幽霊は「私は自殺したということになっているけど、本当は
殺されたのです。」と打ち明けます。
誰に、どのような理由で殺されたのかもわからないまま亡くなったのだ、
ということを告げられ、話の流れで渉は、その真相を突き止めると
幽霊に約束するのです。

松尾さんの作品を読むのは初めてです。
ファンタジーやSFものを書いてる人だそうで、確かにこの物語も
ファンタジーやSFの要素もあるのですが、それだけではない、
深い味わいが物語の中にあります。
また別の作品も読みたくなりました。

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この季節にはありがちなのですが、急に暖かくなったかと思えば
また寒さがぶり返したりします。
風邪も、一旦治ったと思っても、再発したりもします。

今月は長男のライブが沢山あるので、体調を万全にしてのぞみたいと
思っています



3月5日(金)14:29 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理

「食堂かたつむり」

   小川糸(ポプラ文庫)

同居していた恋人に荷物のほとんどを持ち逃げされ、そのショックで
声を失った倫子は、十年ぶりに折り合いの悪かった母親のいる故郷に
戻ります。
自分ができることといえば料理しかないから、と自宅の敷地内にある
倉庫を改造して食堂をはじめるのですが、やがて「食堂かたつむりで
食事をすると、幸運が訪れる」という噂が口こみで広がり、
食堂は繁盛するのです。

「山あいの故郷」なので、住んでる人も少なく、当然登場人物も
少ないのですが、この人達のキャラがとてもいいのです。
近所に住む、何かと倫子の手助けをしてくれる熊さん、倫子のお母さん、
お母さんの愛人(?)のネオコンさん、などなど。

そして倫子の料理のメニューの決め方、食材の選び方がとてもいい。
あくまでも食べる人のことを第一に考え、最初から最後まで丁寧に
手を抜かずに作られるのです。
それには熊さんの存在も重要で、何故、何かと倫子に気を遣って
くれるかというと、その理由があとで明らかにされるのですが、
それがまた泣けてくるのです。

自分の気持ちに添った料理を食べると幸せな気分になり、
力がわいてくる。
その力がまわりにも影響を及ぼし、自然と幸運を引き込むことに
なるのではないでしょうか。
「食べること」の重要さを教えてくれる物語でした。

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3月になってしまいました。
やらなければならないことが沢山あります。

とりあえず今日はひな祭りなので、ひなあられを買ってきます



3月3日(水)15:09 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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