「食堂かたつむり」 |
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| 小川糸(ポプラ文庫)
同居していた恋人に荷物のほとんどを持ち逃げされ、そのショックで 声を失った倫子は、十年ぶりに折り合いの悪かった母親のいる故郷に 戻ります。 自分ができることといえば料理しかないから、と自宅の敷地内にある 倉庫を改造して食堂をはじめるのですが、やがて「食堂かたつむりで 食事をすると、幸運が訪れる」という噂が口こみで広がり、 食堂は繁盛するのです。
「山あいの故郷」なので、住んでる人も少なく、当然登場人物も 少ないのですが、この人達のキャラがとてもいいのです。 近所に住む、何かと倫子の手助けをしてくれる熊さん、倫子のお母さん、 お母さんの愛人(?)のネオコンさん、などなど。
そして倫子の料理のメニューの決め方、食材の選び方がとてもいい。 あくまでも食べる人のことを第一に考え、最初から最後まで丁寧に 手を抜かずに作られるのです。 それには熊さんの存在も重要で、何故、何かと倫子に気を遣って くれるかというと、その理由があとで明らかにされるのですが、 それがまた泣けてくるのです。
自分の気持ちに添った料理を食べると幸せな気分になり、 力がわいてくる。 その力がまわりにも影響を及ぼし、自然と幸運を引き込むことに なるのではないでしょうか。 「食べること」の重要さを教えてくれる物語でした。
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3月になってしまいました。 やらなければならないことが沢山あります。
とりあえず今日はひな祭りなので、ひなあられを買ってきます
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3月3日(水)15:09 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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