「どれくらいの愛情」 |
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| 白石一文(文春文庫)
三年ぶりに別れた夫と偶然再会し、驚くほど「他人」を実感した岬は 弟夫婦が紹介してくれた野上との結婚を考えるようになるのですが 一方で、さっぱり冴えない男だと思っていた同じ職場の安西の 意外な一面を発見したりして揺れ動くお話。
かつて自分の父親の不倫相手に抗議に行ったことのある知佳は 現在、妻子ある男と交際していて、自分が抗議した相手の立場になり、 かつての父親や、その不倫相手の気持ち、母親と妹の気持ち、 今の愛人の家族の気持ちなどをしみじみ考えるようになるお話。
結婚まで考えた女性に裏切られ、仕事一筋に生きてきた正平の元に、 その女性から五年ぶりに電話がかかってきます。 何気なさを装ったその電話に何かを感じた正平は、女性の仕事仲間を訪ねて 彼女が入院したことを知り、忘れようとしていた感情を蘇らせるお話。
などなど、4つの中篇からなる小説です。 白石氏の小説は初めて読みましたが、どのお話も「きちんと 丁寧に書かれている」という印象を持ちました。 ぶ厚い本なのに、中だるみすることなくスラスラ読めたのは テンポの速さだけでなく、「きちんと丁寧に」書かれているのに、 無駄な言葉など一切ないことにあるのだと思いました。 特にタイトル作「どれくらいの愛情」にでてくる霊能者の言葉は とても印象深くて、ひとつひとつが心に残りました。 また白石氏の作品を読んでみたくなりました。
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風邪が治りかけてきたな。。。と思いきや、 またぶり返してしまいました
寝ます。。。
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10月9日(土)21:43 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理
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