ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2009年11月11日を表示

「ボヴァリー夫人」(上)(下)

   フローベール(岩波文庫)

少女時代を修道院で過ごした知性と教養溢れるエンマは、
父親が足を怪我した際、往診に来てくれたボヴァリー医師に見初められ、
彼の元に嫁ぎます。
しかし結婚生活に多大なる夢と希望を持っていたエンマとって、
おとなしい性格の夫との田舎暮らしは退屈なものでした。
絶望的な日々を送るうちに、エンマは書記を勤めるレオンという若い男に
出会います。
知性と教養を持つレオンとエンマは話が合い、お互い惹かれ合うのですが
その頃、女児を出産したエンマは育児に専念するため、
レオンを避けるようになります。
エンマに嫌われたと思ったレオンは「法律の勉強をしたい。」と
エンマの元を去ります。
再び絶望的な日々を過ごすことになったエンマの近所にロドルフという男が
引っ越してきて、自分が目をつけた女は必ずものにする主義の彼は
一目でエンマを気に入り、人妻であることもかまわずに積極的にエンマを
口説きます。
レオンがいなくなってから寂しい日々を過ごすエンマにとって
ロドルフの情熱は抗い難いものがあり、一気に恋に堕ちていきます。
密会を重ねるうちにエンマの狂気にも似た情熱をもてあますようになった
ロドルフは、危険を感じて、ある日突然エンマの前から姿を消します。
駆け落ちの準備までしていたエンマはロドルフがいなくなったことに
打ちひしがられ、次第に精神を病んでいきます。
日増しに憔悴していくエンマを心配した薬剤師のオメー氏は
繁華街に歌劇を観に行くことをすすめます。
元々音楽が好きなエンマはすすめられるまま、ボヴァリー氏と
歌劇を観に行くのですが、そこで思いがけずレオンに再会します。
ふたりの感情は偶然の再会に一気に高まり、以前、結ばれなかった過去を
取り戻すかのように逢瀬を重ねます。
レオンとの新しい生活を夢見る一方、身の回りを飾り立て、
いつまでも美しくいたいエンマは借金を重ね、返済のめども立たずに
ついには夫のボヴァリー氏に知れることになります。
追いつめられ、レオンにも冷たい態度をとられるようになったエンマは
ある決心をして薬剤師の家の倉庫にしのびこみます。

結末はあえて書きませんが、まるで昼メロのようなドロドロした物語でした。
そういえば昼メロは海外文学が元になっているものが多い、と
聞いたことがあります。
以前「嵐が丘」を元にした「愛の嵐」というドラマもありましたし。
もしもボヴァリー夫人をこちらでドラマ化するとしたら、
主人公の名前は「尾張エマ」だったりして。。。とアホなことを
考えたりしました。

それにしても自分のカミさんが不倫してて、近所でも評判になったりしてるのに、
まったく気がつかない亭主っているのかなぁと、この物語を読んで
思ってしまいました。
それだけカミさんを信用しているのか、それとも関心がないだけなのか。
後者だとしたら、そりゃあ、カミさんも退屈するわ、と色々考えさせられました。


海外もの、特に古典ものは疲れます。。。
当分いいや、と思いました。



11月11日(水)00:01 | トラックバック(0) | コメント(2) | 趣味 | 管理


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