ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2008年1月12日を表示

東京奇譚集

 村上春樹(新潮文庫)

村上さんの小説は一風変わったものが多いのですが、これも、
そのひとつです。

まったくの偶然の出来事に、不思議な運命を感じるピアニスト。
不慮の事故でサーファーの息子を亡くして以来、毎年その地を
訪れるようになった母親の人生。
突然、夫に失踪され、原因が全くわからず興信所に依頼を求める妻。
などなど、不思議な話ばかりでてくる五つの短編集です。

私が気に入ったのは最後の話の「品川猿」。
段々と自分の名前が思い出せなくなる人のお話なんですが、
他のことは忘れることがないのに、自分の名前だけが思い出せなくなり、
しかもその原因が突拍子もないことだったりするところ、
その出来事によって、自分のかくれていた感情が暴き出されるところなど、
かなりハマリました。

それにしても、どうして村上さんは次から次へと、こんな変わったばかり話を
思いつくのでしょう。

その頭の中、見てみたいものです。



1月12日(土)11:47 | トラックバック(0) | コメント(0) | 趣味 | 管理


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