ずずの読書な日々
 
主に読書日記です
 



2007年11月12日を表示

T沢さんの言葉

昨日、市民吹奏楽団の定期演奏会に行ってきました。

知らない曲も多かったけど、ちょっとリズムが変わっていたり、
明るくて覚えやすい曲調だったりしたので、退屈せずにすみました。

知らない曲ばかりだと、眠くなってしまうのですが、今回は
全然眠くならずに、最後まで楽しめました。


曲目の中に「新潟市民歌」があったのですが、この曲には、かなり
思い入れがあるので、じ~んときてしまいました。

この歌を作曲したT沢弘子さんという方とは、以前、フルート教室で
ご一緒したことがあります。

市民歌を作曲するくらいですから、すごい人なのでしょうが、
ちっとも偉ぶった感じなどなく、発表会の打ち上げの時に、たまたま
同じテーブルに座った私に、気さくに色々話しかけてくださいました。

T沢さんはビールを美味しそうに飲みながら、梅干の美味しい漬け方など、
いかにも主婦っぽい話をしていた時、ふと何気なく、

「私ね、もうすぐ死ぬのよ。」と言うのです。

何かの冗談かと思ったら、そうではなく、
以前大病を患って入院していたことがあり、
一旦は元気になったのですが、その病気がどうも再発したらしく、
再発した場合は、治る確率が非常に低いので、多分、長生きは
できないだろう、ということでした。

何故、ほとんど初対面に近い私に、そのような重大な話をしたのか
わからず、二次会の時に、T沢さんと付き合いの長いフルートの先生に
その話を聞いてもらうと、

「彼女はね、大勢の人にそのことを話してるけど、そうすることによって
自分自身に喝を入れたいのだと思うよ。前向きな人だからね。」
と言うのです。

そのことプラス、私が思うには、ひとりでも多くの人に、
自分のことを覚えていてもらいたかったのではないでしょうか。
そんな気がしてならないのです。


「私には時間がないのよ。だからね、今のうちにやりたいこと、
何でもやっておくの。あなたもね、子育てとか色々大変だろうけど、
やりたいことは、やっておかなきゃダメよ。」

あの時、T沢さんに言われた言葉が、その後の自分にとって
どれだけ励みになったか、わかりません。

もうT沢さんはこの世にはいないけど、お話することも、
お礼を言うこともできないけど、T沢さんに言われた言葉は、
ずっとずっと私の心の中で生きています。

音楽文化会館の近くにT沢さんの記念碑が建てられているそうです。

今度、見に行こうと思います。



11月12日(月)17:24 | トラックバック(0) | コメント(2) | 音楽 | 管理


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